NISAがおすすめな人
新NISAは今までのNISAに比べ運用の自由度が高まったので、投資経験がある人はもちろんメリットを存分に活かせるでしょうが、投資初心者の人にとってはもしかしたらデメリットなのかも知れません。
なぜなら【自由度が高い=自分で考えて判断】しなければならない部分が多いからです。
ですが、投資初心者にとっても今回の改正で長期の積立運用が実現できる事で、よりリスクを抑えた運用が可能になります。
それは投資は長期になればなるほど、一括で投資するよりも積み立ての方がリスクが軽減されると言われているからです(ドルコスト平均法)
小額からスタートしやすく、商品ラインナップの多い金融機関を選べば非課税の恩恵を受けながら、少額でコツコツと投資を学んでいく事も出来きます。
NISAは上場株式や、比較的リスク・リターンの大きな投資信託も購入できるため、積極的に投資で増やしていきたいという人にも向いています。
株主優待を目的とした運用も、売却によって譲渡益を得る場合もあります。年間投資枠に余裕があれば、株主優待を目的としたに人もNISAがおすすめ。
ライフステージを見越して資産を増やしながら、自分が応援したい企業から株主優待を頂くなんて楽しみもあるのがNISAです。
iDeCoがおすすめな人
iDeCoは、原則60歳まで資産を引き出すことができないのがデメリットですが、その分じっくりと運用することができる非課税制度です。
自分でお金を貯めることが苦手な人、あるいは貯金をいつの間にか使ってしまう人は、活用を検討しても良いでしょう。
また、NISAと違い、iDeCoは運用益が非課税になるメリットだけでなく、掛金の全額所得控除や退職所得控除、公的年金等控除などの節税メリットがあります。
そう積み立てているお金を支払う時も受け取る時も税制優遇があるという事です。これらの税制優遇を利用して効率的に老後資金を準備していきたい人におすすめです。
年間の拠出上限額が高い自営業者や、高収入で少しでも節税したい会社員は、iDeCoの活用を検討するのが良いでしょう。
目的別・NISAとiDeCoの選び方
厳密にいうと開始年齢にもよりますが、ここでは一般的な考え方をお伝えしたいと思います。
●老後資金を準備する場合。
老後資金の準備をする場合は、iDeCoの活用を検討するのがおすすめです。
iDeCoはそもそも公的年金の不足分を補うために、老後の資産を自分で準備する制度として国が作ったもの。そのため途中で資産の引き出しは不可ですが(原則60歳まで)その分、積み立てた資産を老後まで着実に運用することができます。
最近は転職する人も増え、まとまった退職金を受け取れる機会も少なくなっています。仕事をリタイアした後の生活の為に退職金を自分で用意するには、長期分散積立投資のiDeCoをおすすめします。
但し税優遇を受けられる範囲で積み立てた場合、会社員や公務員の場合は年間投資枠がかなり低いので、大きな税優遇は見込めず老後資金としては心もとないかも知れませんので、新NISAと併用する事も検討されると良いでしょう。
●まとまった資金を運用したい場合
貯金や退職金、相続などで大きな資金を運用したいなという時は、まずはお金のプロに相談したり、自ら勉強をすることをおすすめします。
例えば100株100万円(@1万円)で購入した次の日に10%ダウンし、一株あたり9000円になればすでに資産価値は90万円となります。その次の日に10%アップしたとしても、元の金額にはならず99万円。元の100万円には戻らないのです。
まとまったお金を運用するなら投資について勉強しながら、経験を積んだ先の方が良い、もしくは長期積み立てと組み合わせる事も視野に入れた方が良いかと思います。もちろん投資経験者の場合は、しっかりとそれぞれの商品の運用実績を見比べながら検討されると良いでしょう。誰かに相談するにしても商品やサービスを売りたい側の人だけに聞くのは危険、投資経験がない人に聞くのも危険なので、複数人聞いてみるのが良いかも。目的やアドバイスがないまま投資を行うと、損失が生じた場合に自分だけでは対処できない可能性が高まります。対処の方法を間違ってしまうと、思わぬ損失を被るかもしれません。
その上で、積極的に運用したい人は、NISAの活用がおすすめです。なぜならNISAはiDeCoと比較すると、投資できる商品数が多く選択肢が多いからです。 また成長投資枠ではアクティブ型の投資信託や個別株への投資も可能なので、しっかりと節税対策をした上で投資を経験する事が出来ます。
新NISAではつみたて投資枠を続けながら成長投資枠も活用できるので、まとまった資金を長期運用と短期運用に分けてリスクを減らすという事も。新NISAは簡単にいうと運用が上手くいった時だけしか節税効果はありません。小額からスタート出来、途中で売却なども可能なので、投資初心者の場合は一気にまとめて運用するのではなく、分散して投資するのがお勧めです。
一方、iDeCoは積立する資金そのものが控除対象になる為、節税効果が高く税負担を軽減しながら将来に向けて資産運用したい人に向いています。資金は途中で引き出せない分、運用中の保有商品の一部または全部を売却し、他の商品に手数料無料で入れ替える事ができます。
例えば、働き盛りの時は投資信託などで積極的に運用し、60歳が近づいたら守るために定期預金に資産を移し替える等のスイッチングも手数料無料で可能です。
NISAとiDeCoの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、それぞれの制度に合った投資方法を活用しましょう。