幸せなお金持ちになるには、単に資産を持つだけではなく、バランスの取れた人間関係を築く事はとても重要視されています。
良き人間関係を築くために役立考え方はいくつかありますが、その一つが「アドラー心理学」でしょう。
日本ではアドラー研究の第一人者であり、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』などベストセラー本の著者、岸見一郎氏が有名ですが、そもそもアドラー心理学とはどういった特徴があるのでしょうか??
アドラー心理学は、オーストリアの精神科医であり、フロイトやユングとともに「心理学の三大巨頭」と呼ばれたアルフレッド・アドラーによる考え方です。
幸福や生きる目的をテーマとしてまとめられた心理学であり、精神疾患が蔓延した時代にも受け入れられ広く普及しました。
後世における心理療法にも多大な影響を与えた人物、かつ理論として知られています。
アドラー心理学の特徴の一つは、劣等感を元としている点です。
人が社会性を持ち、高度なコミュニケーション能力を有したのは、劣等感によるものとするのがアドラー心理学の大元となっています。
他の動物に対する肉体的劣等性や死に対する恐怖心が、さまざまな宗教や哲学、能力、活動の源となっているとされ、劣等感をぬぐい去るためには活力が不可欠であり、それには勇気づけが必要であるとも説いています。
勇気づけが考え方や行動に変化を与え、結果的に生きている感覚や充足感の獲得へとつながるとしている点も特徴の一つで、自分自身は変化できるというのがアドラー心理学の中心的な考え方となっています。
アドラー心理学は勇気づけをはじめとして、複数の価値観や理論で構成されていますが、ここでは代表的な5つの理論に関して紹介します。
主体論
主体論は、自らの運命や行動、考え方を決めるのは自分自身であるという理論です。自分の人生を主体的に決める必要があり、それを認識しなければならないとの考えから「自己決定性」とも呼ばれます。
生まれ育った環境やハンデ、不運な出来事など自分自身ではコントロールできない環境や出来事に、結果について責任転嫁していても、幸福は訪れないよという考え方ですね。
避けられない運命を受け入れた上で、自分自身が幸せになる為にはどう行動するのかが重要であるという考え方が主体論です。
目的論
人が起こす行動には、必ず何かしらの目的があるという理論で、未来に対しての行動が特に重要であると説いています。
過去よりも未来へと目を向け、これからの自分のための行動する重要だという理論です。
分の行動を変え、目的や目標へと向かう活力となり、幸福の実現を最大の目的とし行動するための理論ともいえます。
全体論
よく判断をしなければならない場面で自分の中の自分と戦うといった表現をする人がいますが、アドラーはこの考え方を否定しています。
人の心や意識に矛盾はなく、すべて自分自身であるという考え方が全体論です。意識することはもちろん無意識も自分自身であり、両者を分ける必要はなく、そもそも分けることなどできないと説いています。
自分の中の一部の自分に嫌悪感を抱くと、自分自身をなかなか受け入れられません。それは、ときに不幸をもたらしてしまうと。全体論は、ありのまま自分自身のすべてを受け入れるための理論といえるでしょう。
認知論
人は、物事を判断する際に、自分の価値観を重視します。主観的な見方をするものであり、事実をありのままに受け入れるのは不可能であるという考え方が認知論です。
だからこそ、同じ物事を見たり聞いたりしても、人により判断や認識が異なるのだと。
誰かが自分を把握・判断する際も同様に認識や判断が違って当然だという考え方です。
その為、自分を否定されてもあまり気にする必要はなく、また、自分も他者の多様性を受け入れる必要があります。
異なることを当然と受け入れられれば、物事や人への執着が取り払われ、楽な気持ちになると説いています。
対人関係論
人の行動や感情には、必ず相手が存在するという考え方が対人関係論です。
他者と一切の関係を持たずに思考や行動が生まれることはありませんし、お互いに影響を与え合いう中で人は生きていると説いています。
言い換えれば、人が抱く悩みはすべて人間関係に起因しているという事。対人関係論では、相手の行動や考え方を変えるのは困難であり、自分がまずは変わることで相手も変わる可能性があるとしています。
ではアドラー心理学を自分自身に取り入れた時に、どのようなメリットがあり、自分の幸福につながっていくのか?
4つのポイントにまとめて次回はお話したいと思います。