新NISAを始めるにあたって知っておきたいメリットとデメリットをまとめてみました。
投資の世界はお金を増やすチャンスもある一方、右肩あがりに成長するものではありませんので、損失が出る事もあります。
先ずは仕組みをしっかりと理解してチャレンジする事をおすすめします。さて、新NISAのおさえておきたいメリット6つをお話していきます。
メリット1>配当金や分配金、売却益が非課税
日本では通常、運用して得られた利益に対しては20.315%の税金がかかります。しかし、新NISA口座を利用して投資を行った場合、配当金や分配金、売却益は非課税扱いに。旧NISA、新NISA共に、利益のすべてを受け取ることができるので効率的な運用が可能になります。非課税のメリットは、NISA口座を通して売買すれば自動的に受けられ、他に特別に必要な手続きがないので安心です。
メリット2>初心者でも少額から積立投資ができる
投資と聞けば大きなお金を動かすイメージを持っている人も多いでしょうが、旧NISAと同様に新NISAでも100円や1000円など少額から投資できます。ただ最低金額は金融機関によって異なるのでNISA口座を作る時に必ず確認しましょう。つみたて投資枠と成長投資枠、どちらの枠でも少額から投資が始められます。日々の価格変動など投資リスクが気になる運用初心者は少額からスタートして、投資に慣れてきたら積立額を増額するなんてことも出来ます。
メリット3>いつでも引き出しができる
NISA口座で保有している資産は、いつでも売却して引き出すことができます。銀行口座に売却資金が振り込まれるまでに多少時間が必要ですが、流動性を確保しながら投資を行うことができます。ただし、投資にはリスクがあるため、元本保証はありません。万が一に備えるお金は用意しておき、投資は余裕資金で行うように心がけましょう。
メリット4>1800万円まで投資ができる
新NISAの生涯投資上限額が従来のNISAより増え、1800万円となりました。(そのうち成長投資枠として利用できるのは1200万円まで。)年間の投資枠は合計で360万円(つみたて投資枠の年間投資上限額120万円、成長投資枠の年間投資上限額240万円)となっており、仮に上限額の360万円を毎年投資すると、最短5年で生涯投資上限額を使い切る計算になります。例えば毎月3万円を積立投資した場合では50年、毎月5万円の場合では30年で枠の上限に達します。
メリット5>非課税保有期間・投資可能期間を気にせず運用ができる
今まで口座開設期間に制限があり、その恩恵を受けられる期間がとても短かったですが、新NISAからは恒久化し、18歳以上であれば年齢に関係なく活用できるようになりました。また長期投資が可能となった事で若い世代が少額でコツコツと積み立てながら将来に備える事がしやすくなったと言えます。
メリット6>非課税投資枠を再利用することができる
新NISAを使って保有している金融商品を売却した際、非課税投資枠を再利用することができる仕組みが採用されているのも魅力です。例えば、1800万円分の金融商品を保有していて、その内500万円分の金融商品を売却したとしましょう。これで新NISA口座を利用して保有している金融商品の総額は1300万円となりました。売却した翌年以降に新NISAの非課税枠は復活し、取得価格分の枠が再利用できるようになるので、新たに500万円分の投資が可能という事。これにより、売却の際に利益が出ていたとするならば、累計投資額が1800万円以上になる可能性もあります。
と、今までのNISAよりもメリットが大幅に増えたと言えます。しかしメリットがあればデメリットも必ずあります。次は新NISAデメリットや注意点について話してみたいと思います。
デメリット1>元本割れを起こす可能性がある
元本割れとは投資した金融商品の価格が買付時の金額よりも下回ることを言います。例えば、100万円分の株式を購入後、価格が50万円まで下落すると、含み損を抱えていることになり、元本割れをしている状況になります。NISAで選ぶことができる商品は、投資信託やETF、株式などのリスク性商品です。貯金などと違い、投資はアクティブに運用するので価格変動は日常的に起こりますし、特に投資初期や短期運用だと元本割れをしやすくなります。
デメリット2>自分で判断する場面が多い
NISAをいざ利用しようとすると金融機関選びから、口座開設の手続き、金融商品の検討や購入、運用状況の確認など、自分ひとりで判断しなければならない場面が多くなります。これらは、特に投資初心者にとって難しい作業です。売却のタイミングなど他の人のアドバイスを参考にしたい場合は、IFAやFPなど専門家の提案を聞いてみるのも一案です。その際、必ず複数の意見を聞き、自分が納得したものをチョイスする事をおすすめします。
デメリット3>売却タイミングが難しい
NISAは投資初心者も利用しやすい反面、金融機関や銘柄選び、売却のタイミングなど、自分で判断しなければならないことが多い制度です。特に、新NISAでは非課税保有期間が無期限化されたことにより、保有期間の期限がなくなりました。これは長期積立分散投資に適した制度に変わった一方。ここまでで終わりという運用の区切りがなくなった事で強制的に終了とならない為、人によっては旧NISAよりも売却判断が難しくなったと感じるかもしれません。
新しくなったNISAのメリット・デメリットの知っておきたいポイントをご紹介いたしました。読んでいただいたらわかる通り、メリットとして享受するのも、デメリットと感じるのも表裏一体です。制度の特性を理解して、上手に資産構築に活かしていきましょう。