どんな物事にも”いい面と悪い面”や”陰と陽”、”メリットとデメリット”がある様に、投資にいても”リターン”には必ず”リスク”もセットでついてきます。
必ずセットです。(大事な事なので2回言いました)
例えば東京から大阪へ行く交通手段は様々ありますが、選んだ交通手段ごとのリターンとセットでリスクがあります。
飛行機を選べば早く到着できるというリターンとセットで、万が一移動中にトラブルが起こった場合には助かる可能性が他の交通手段よりも低い傾向にあるというリスクや、途中で変更が効かない、自由度が低いなどのリスクがありますよね。一方で車を選べば移動中の自由度が高くプライベート空間を守れ、交通費が安いというリターンとセットで、事故を起こす・巻き込まれる可能性と、時間がかかり長時間運転での疲労というリスクを選んでいる事になります。
お金の世界・投資の世界でも同じことが言えます。どんなリターンを望み、それに付随するリスクをきちんと理解できているか?という事が投資をする際の考え方としてはとても重要です。さて投資におけるリスクにはどんなものがあるのか?
知らないから怖くて不安になるので、まずはどんなリスクがあるのか?を知っておきましょう。
1>価格変動リスク
社会情勢や経済状況、企業の業績によって株価など価格が変動する可能性の事。業績が良ければ、多くの人が安心して投資できる先だとして人気が上がる為、価格は上がりますし逆もしかり。価格が変化するという事自体を指します。
2>為替変動リスク
為替の変動によって手取り額が減ったり、投資する金額が増えたりするリスクの事。手取り額が減る事がリスクなのではなく、金額が為替の影響で上下する事を指します。
3>流動性リスク
動かしたい時にすぐに動かせるかどうか?という観点で考えた時のリスク。金はいつでもすぐに換金できるけれど、不動産の場合は買い手が見つからない限り、すぐには換金できないですよね。この「簡単に動かせない」というのが流動性リスクです。
4>カントリーリスク
その国の社会や経済の不安定化によって、回収できなかったり、価格が変動したりする可能性の事。韓国やギリシャの様に国家破綻や中国の様に市場混乱が起こった事で影響を受けるリスクの事を言います。
5>インフレリスク
金利の変動によってお金の価値自体が上がったり下がったりするリスクの事を指します。一般的に、物価が上昇すると金利も上昇します。 物価上昇によってお金の価値が下がってしまうなど、現金や、金利がほぼつかない日本の預貯金なんかはこれに当てはまります。
6>倒産(信用)リスク
企業が倒産したり、国が破綻してしまう事やその可能性によって、利息や償還金をあらかじめ設定された条件で支払われなくなるリスクの事を言います。会社の信用度が下がれば株価が下がるといった事を指します。
それでは大きく分けてこの6つのリスク活用して、投資を考えてみましょう。
例えば金投資。
金は株式や債券などとは違い、それ自体に価値がある「実物資産」として認められ続けてきた長い歴史があり、その歴史において、金は一度も「無価値」になったことがありませんが、金に投資をし資産として保有するときのリスクはどれでしょうか??
まずは1の価格変動リスクはあります。購入する際も売却する際も、常に価格が変動しているので、「もう少し待って購入した方が(売却した方が)良かった」なんて事も多々ある話ですね。
2の為替変動リスクもあります。なぜなら、金の取引は米ドルで行なわれるため、国内の金価格は為替の影響を受けるからです。しかし3の流動性リスクに関しては、ありません。売却したい!動かしたい!と思った時にすぐ動かせるからですね。それは日本国内だけではなく、海外であっても現金化しやすい為、ほとんどリスクが今のところないと言ってよいと思います。
4はなし、5もなし、6の信用リスクも金そのものが無価値にならない為リスクなし。よって金投資は1の価格変動リスク、2の為替変動リスクのある投資だという事が分かります。
という風に、自分が興味がある投資には、どんなリスクがあるのか?そのリスクを理解した上で許容できるのか?目指す方向性とあっているのか?と判断していく必要があります。
さて最後に一番大切な事をお伝えします。
これに、いろいろあてはめてみた時に、どれにも当てはまらない話。
もしくは当てはまるけれど得られるであろうリターンの大きさから考えて、あまりにもリスクが小さいものはこのリスクです。そう、7つ目であり最大のリスクは”詐欺リスク”です。
元本保証で、いつでも投資金が引き出せて、金利は10%ついて・・・みたいな話は、どう考えてもリスクがなく、巷の投資詐欺は全部がこのパターンです。
確かにリスクは怖いものと感じる方は多いでしょうが、リスクの見当たらない美味しいだけの話は、後悔しか残らない詐欺リスクだという事を知っておくと、大切な資産をなくしてしまうというリスクからは回避できるのではないでしょうか?
またどれにも当てはまらなくて、目に見える大きなリスクがないのが【何もしないリスク】かもしれません。投資を何もしなかった事で起こるリスクは物価上昇の波だけでなく、健康問題などによる収入が減ったり就労できなくなったりした時に当面の生活を支えたりするような、リカバリーする力を持たないというリスクなのかなと思います。