4年生からのお金の勉強

記号や数字じゃないリアル

今の子どもたちの多くは、生まれたときから食べるものがあり、着るものがあり、おもちゃも、必要なものも、すでにそろっている世界で育っています。

日本では貧困だという人でも、スマホを持っている・・・そんな不思議な国。

それは、とても幸せなことですが、その一方で、「欲しいものを、がんばって手に入れる」そんな経験が、少し少なくなっているのも事実です。

だから、ときどきこんな言葉が、子どもの口から、ふと出てきてびっくりする事も。

「壊れたら、また買えばいいよね」「お金が足りなかったら、じいじにもらえばいいじゃん」「えっ、お年玉、1万円じゃないの?」

けっして悪気があるわけではありません。ただお金の重みをまだ知らないだけ、そもそもお金とは?その出どころは?が理解できていないだけなのです。

もし、そんな言葉に「あれ?」「ちょっと心配だな」と感じたら、それはとても大切なサインです。

ぜひそのとき、叱る前に、親子で一緒に「お金の価値って、なんだろう?」と考えてみてください。

私がよくやっていたのは、こんな質問です。

「1000円って、重いと思う? 軽いと思う?」

ほとんどの子は、千円札を思い浮かべて「軽い!」と答えます。

そこで、そっと見せてあげてください。1円玉を1000枚、袋に入れたものを。

大人が持ってみても意外とびっくりするほど、ず~っしり重い。

この一円玉1000枚入った袋も、千円札1枚も、同じ“1000円”です。

この重さを体で感じたとき、子どもの中で「1000円って、ただの紙じゃないんだ」という気づきが生まれます。

もちろん、今の時代、現金を使わずに暮らす流れは止められません。カードやスマホ決済などのキャッシュレス決済は、ますますこれからも当たり前になっていくでしょう。

だからこそ、お金の“実感”が持ちにくい今の子どもたちには、大人が、意識して伝えてあげることが大切なのです。

難しい勉強をさせる必要はありません。お金は、遊びながらでも、ちゃんと学べます。

たとえば、こんな問いかけも。

「この袋から、1円玉を1枚だけ取ったら、1000円のおもちゃ、買えるかな?」

答えは、もちろん「買えない」ですよね。

そう考えると、たった1円でも、ちゃんと意味があって、役割がある。そんなことが、自然と伝わっていきます。

1円玉は1枚で1グラム。1000枚集まると、1キロになります。重さは違っても、価値は同じ。

この不思議さを知るだけで、子どものお金を見る目は、少し変わります。

ぜひ、今日から。ほんの少しでいいので、お金に触れる時間を、親子で作ってみてください。

それはきっと、「大切に使う心」「考えて選ぶ力」を育ててくれます。

そしていつか、その小さな経験が、子ども自身を守る力になると、私は信じています 。