「このままでいいのかな…」
16年前、なかなか子どもができないことに悩んでいた私は、そんな不安を抱えながら過ごしていました。
仕事も忙しくて、結婚して2年。30歳を過ぎて「そろそろ子どもが欲しいな」と思い始めたのに、妊娠する気配がまったくない。
うっすら
「もしかして私、不妊なのかな…」
と思いながらも、はっきりさせるのが怖くて、なんとなく過ごす日々が続いていました。
当時の私は
「結婚したら自然に妊娠するもの」
くらいに思っていて、不妊について何の知識もありませんでした。
だから、妊娠しないことへの不安と焦りばかりが膨らんでいったんです。
そんな中、なんとなく知っていたのは
「不妊治療ってお金がかかるらしい」
ということ。
そこで軽い気持ちで調べてみたら…正直、驚きました。
タイミング法なら数千円〜数万円。
人工授精は1回1〜3万円ほど。
さらに体外受精は、1回30万〜80万円かかることもあると知って衝撃でした。
知り合いには「100万円超えたよ」という人もいて、
「そんなにかかるの…?」と頭が真っ白に。
(※現在は保険適用で1回10〜20万円程度/3割負担、先進医療は別途)
「もし治療が長引いたら…?」
「どこまでできるんだろう…」
そのとき初めて、全部が自分ごとになった感覚がありました。
でも同時に気づいたんです。
私が怖かったのは、お金そのものより
**“知らないこと”**だったんだって。
いくらかかるかわからない。
どこまで必要になるかわからない。
わからないから、不安だけが大きくなっていた。
そう気づいてから、少しずつ「知ること」を始めました。
まずは自分に必要なことだけ、少しずつ。
すると不思議なくらい、気持ちが落ち着いていったんです。
もちろん、不妊治療にお金がかかる事実は変わりません。
でも
「漠然とした不安」が
「向き合える現実」に変わったことで、
自分はどうしたいのか、何を選びたいのかを考えられるようになりました。
少し理解できるようになると、
次に何をすればいいかが見えてくる。
そうすると、小さな行動ができるようになる。
あの頃ずっと感じていた
「このままでいいのかな…」
という不安も、少しずつ形を変えていきました。
病院で検査をしたり、ホルモン注射をしたり。
1回5,000円ほどかかる検査で、月に何度も通うと当時はやりくりも大変でした。
お金に余裕がないと、心までしんどくなる。
あの時、お金とメンタルってつながっているんだと身をもって感じました。
それから2年。
自分に必要な治療を受けたことで、娘を妊娠することができました。
妊娠がわかったときは、本当にうれしくて
検査薬を見ながら泣いていました。
私の人生が動き出したきっかけは
「知ること」から始めたこと。
そして娘を授かったことが、私の人生を大きく変え、
今の自営業の道につながっています。
…そしてこのあと、
「子育てにもお金がかかる!」という現実を
さらに実感していくことになるのでした。

