夢を諦めきれない あるマジシャンのお話

今年30代後半になる、ボクの古くからのお客さんのお話です。

彼との出会いは、あるカフェで開かれた交流会。参加者が何人もいる中で、ひときわ目を引く存在がいたんです。なんやろう、うまく言えないんのですが、「この人、なんかちゃうなぁ〜」と人を引き付けるような空気をまとってる人でした。

あとから本人に聞いたら、向こうもボクに対してなんとなく気になる存在やったみたいで意気投合。そこから話すようになり、少しずつ距離が縮まっていきました。

彼は当時、仕事をしながらマジシャンとして活動していて、Barやイベントなどの舞台にも立っていました。

生活のために働きながら、夢を捨てずに続けていたわけです。華やかに見える世界かもしれませんが、現実はそう甘くはありません。

彼はもともと別の仕事を長く続けてきた方でした。堅実に働いてきた中でも、ずっと心のどこかに「マジックの世界で生きたい」という思いがあったそうです。

そしてある時、自分の気持ちに区切りをつけられず、夢の方へ踏み出す決断。安定を手放してでも、自分のほんまに進みたい道を選んだんです。ただ、夢を追う日々は、気持ちだけでは続けられません。生活のこと、お金のこと、将来のこと。現実は、いつも足元から問いかけてきます。

そんな中で彼は、一度お金のことで大きな失敗も経験しました。

少しでも状況を良くしたい、少しでもお金を増やしたい。そんな思いから、結果的に詐欺的な案件に巻き込まれてしまったんです。残ったのは、大きな後悔と経済的な厳しさでした。夢を追いながら生活も苦しい。将来も見えにくい。そんな時に、彼から相談を受けました。

「この生活を、どうしたら打開できますか?」

その時、ボクがお伝えしたのは、とてもシンプルなことです。

まずは、お金の勉強が必要やということ。そして、お金はカンタンに増えることなんて絶対にないということです。

もしもカンタンに増えたとしたなら、それはカンタンに失う可能性も高い。そこを、まず理解することが大事やとお伝えしました。

自分自身が目指す金額や暮らしに向けて、現実的な目標を持ってやり続けること。派手さはなくても、その積み重ねが人生を変えていく。ボクはそう話しました。

あれから何年も経ちました。今の彼は、仕事をしながら、夢見てきたマジシャンとしての活動も続けています。

そして今は、大切な人との結婚も見据えながら、これからの生活をどう築いていくかを真剣に考えるところまで来ています。もちろん、経済的に何の不安もないという話ではありません。現実は今も、決して楽なことばかりやないと思います。

それでも彼は以前とは違い、目の前の不安に振り回されるのではなく、将来のために資産形成、そして資産保全を意識しながら、日々努力を続けています。

夢を追うこと。
大切な人との人生を築くこと。

以前はどちらも、彼の中では少し遠い話やったかもしれません。でも、お金のことを学び、考え方を変え、行動を積み重ねてきたことで、それは少しずつ「夢物語」ではなく、「現実の人生設計」に変わってきたんやと思います。

ボクが彼を見ていて思うのは、夢を叶えるためには、夢だけでは足りへんということです。

いくらカッコいい事をいっても、現実を生きるにはお金がいる。生活を守るにもお金がいる。結婚して家庭を築くにも、やっぱりお金の土台は外されへんのです。

しかし、お金のことを知らんままやと、増やしたいという気持ちが焦りになり、焦りが判断を狂わせ、結果として大切なもんを失ってしまう。彼はその痛みを、身をもって経験しました。だからこそ今、彼は学びながら、働きながら、積み上げながら、自分の夢と人生の両方を守ろうとしている。それは決して派手な話やないけれど、ほんまに価値ある生き方やと思います。

資産形成は、ただお金を増やすことだけじゃない。人生の選択肢を増やし、夢を現実に変えていくための土台づくり。お金の学びがあるからこそ、夢は夢物語では終わらへん。ボクはこれからも、そのことを伝え続けていきたいと思います。

田中 正之
田中 正之TANAKA MASAYUKI
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