おこづかいを3つに分け、その一つに「サンクスボックス」と我が家では呼ぶ箱があるというお話をしました。
これは身近な誰かへのプレゼントや、自分以外の人や事柄に使う分をためておくものです。
もし、おじいちゃんやおばあちゃんがいらっしゃるなら、ぜひ最初は誕生日や記念日に、子ども自身のおこづかいからプレゼントを選んで渡すという事を経験させてください。
孫が、「これ、ぼく(わたし)のお金で買ったんだよ」と手渡してくれたら・・・おじいちゃんやおばあちゃんの喜びは、きっと、何倍にもなると思います。
その瞬間、「ありがとう」という言葉の重さや、そこに込められた想いも、ぐっと深まります。
「サンクスボックス」は、他にも募金等に使ってもいいと思います。
親のお金ではなく、自分のお金だからこそ、「ありがとう」と言われたときの嬉しさは、心の奥に、ちゃんと残ります。
我が家の子ども達は、サンクスボックスの中から、災害時の義援金や寄付をしたりしていたよう。
これは「ありがとう枠」というよりは「お互い様枠」かもしれませんね。
とにかく、自分の欲を満たすために用意するお金以外に、誰かのためや、誰かを喜ばせるため、日々の感謝を伝えるために、お金を使うという経験をさせるという事です。
人にやってもらう事ばかりを望むのではなく、人のために何をしたらいいか?を考えて行動させるためです。
少し余談になりますが、こんな事もありました。
私は娘たちが小学生に入ったのを機に、フィリピンの貧困地域に住む子どもたちへの教育支援を続けていました。
といっても、最初は年に6000円ほどの寄付。
決して大きなお金ではありませんでしたが、シングルマザーになりたての頃でしたので、生活に余裕があったわけではありません。
ただ、毎日当たり前のように学校へ通える娘たちに、「学べることが当たり前ではない世界がある」そのことを、感じるきっかけになればなと思い、支援し始めたのです。
12歳の女の子がこの支援で、初めて学校に通い始めたのですが、その子から毎年、クリスマスカードが届きました。
1年目は、学校で勉強している様子を描いた絵。幼稚園の年長さんが描くような絵で、文字は見当たりませんでした。
2年目は、絵に加えて、「Happy Merry Christmas」「Thank you very much」という言葉。
3年目からは、今どんな勉強をしているか、勉強できるようになってどんなことがうれしかったか。そんな近況を、お手紙で伝えてくれるようになりました。
その女の子はその後、国の奨学金を得て大学へ進学、今では大人になり医師として働いているそうで、聞いてびっくりしました。
支援が終わった今も、年に一度、近況のお手紙をくれ、ご縁は続いています。
支援を始めた当初、娘たちは「どうして知らない子にお金をあげるの?」と、不思議そうでした。
「それなら、自分たちの欲しいものを買いたい」そう思っていたと思います。
でも、毎年届くカードは、娘たちにとって自分の一年を振り返る時間になり、学ぶことの大切さに加え、「受け取ったものを、誰かに返す」という感覚を、静かに育ててくれたように思います。
そんな事を見て育ったからか?長女は毎年、動物保護団体にキャットフードやペットシートを大量にクリスマスプレゼントとして贈り続けています。
その団体から我が家にお迎えした猫(今の子は3代目)の命をつないでくれたことへの感謝なのだそうです。
次女はというと、小さい時から「プレゼント魔」で家族や友達の誕生日に「いつもありがとう」とプレゼントをするのが大好き。
今でもなお、お世話になった人へちょっとしたお礼を贈ったりするのも、とてもマメにやっている様子。
また自分が母になってからは、世界の貧困地域に暮らす子どもたちへのワクチンや食事支援をしている機関へ寄付などを行っているようです。
誰かのために、自分で考えて、行動する。その経験は、「自分は、誰かの役に立てる」という感覚を育ててくれます。
それは、自尊感情の芽でもあります。
お金を使って、「ありがとう」と言われる経験は、子どもにとって、一生ものの財産です。
ぜひ、「サンクスボックス」を通して、そんなあたたかな循環を、子どものうちに経験をさせてあげてほしいと思います
