4年生からのお金の勉強

タダほど怖いものはない?

子どもが大きくなってくると、親が知らないところで人とのつながりも増えていきます。

学校、SNS、ゲーム、アルバイト、友達の紹介…。

世界が広がるのはとても素敵なこと。でもその分、「なんだか話がうますぎるな」と感じる出来事にも出会うようになります。

例えばこんな話。

「海外旅行にタダで連れて行ってあげるよ。その代わり、この荷物だけ現地で渡してくれない?」

もしそんなことを言われたら、どう思いますか?

「えっ、タダで旅行できるの?ラッキー!」そう思う人もいるかもしれません。

でも、私は子どもたちにも昔からよく言っていました。

「うますぎる話は、一回立ち止まって考えようね」「タダほど怖いものはない」と。

これは、私の祖母が口を酸っぱくして言っていた言葉でもあります。

なぜなら世の中には、「親切」ではなく、「理由」があって近づいてくる人もいるからです。

実際に、知らないうちに犯罪に巻き込まれてしまった人の話もあります。

海外で知り合った人から荷物を預かり、そのまま空港へ行ったところ、中から違法な薬物が見つかってしまい、麻薬保持の現行として逮捕されて有罪となってしまった。

本人は善意で預かっただけで何も知らなかったのに、「知らなかった」では済まされず、重い罪になってしまったケースもあるそうです。

国によっては死刑というような重い罪になる事も・・・自分の子どもたちに、そんなことが起こるかもしれないと思うだけで、本当に怖くなりますよね。

もちろん、すべての人を疑いなさいという話ではありません。

でも、「なんでこんなに親切なんだろう?」と考えることは、とても大切です。

私は子どもたちにも、「理由がわからないほど得をする話には、一度立ち止まって考えて」と伝えてきました。

大人の世界でも同じです。

ニュースで「収賄事件」なんて言葉を耳にすることがあります。

お金や高価なものをもらい、その見返りに特別扱いをしてしまう。

結局、お金そのものが悪いのではなく、「なぜ渡すのか」「なぜ受け取るのか」が大事なんですね。

そして今は、スマホの中にも似たような話がたくさんあります。

「簡単に稼げます」
「楽して儲かります」
「紹介するだけで収入になります」

大人でも迷ってしまうような、心を惹かれる言葉が並んでいます。

少し時給の良いアルバイトの面接だと思って行ったら、その時に提出した身分証や履歴書を元に、犯罪の一端を請け負わされてしまった・・・というニュースは、決して他人事ではありません。

普通で考えると、何の資格や経験もなく、短時間で楽して簡単に稼ぐことができるって、ありえないですよね。

でも、子ども達はまだ社会経験が少なく、判断基準も定まっていないからこそ、「あるのかも?」と信じてしまい、巻き込まれるケースが後を絶ちません。

本当に大切なものって、そんなに簡単には手に入らないって、ある程度の経験や年齢を重ねればわかっては来ます。

勉強も、仕事も、人との信頼関係もそう。少しずつ積み上げるものほど、ちゃんと自分の力になっていきます。

ものすごくお得な話や、楽して儲かる話を見つけたら、「これ、なんで私に?」と違和感を覚える事が大事なんだと思います。

そして、明確な答えが出ないとき、わからないときは大人に相談してみる。

いや、そういう場面に遭遇した際に、子どもが大人に相談できるような関係性を築いてあげる事こそが、一番大事なのかもしれません。

また日々の生活の中で流れるこれらに関するニュースについて、家族間で常に話題にしておくというのも、良いかもしれません。

大切なのは、「なんか変だな」と感じる小さな違和感。その感覚こそが、自分自身を守る大切な力になるのだと思います。

そして、お金にまつわる事は少しくらい慎重すぎるくらいで、ちょうどいいのかもしれませんね。