子どもたちが小さい頃、買い物へ行くたびによく聞いた言葉があります。
「これ欲しい!」・・・お菓子だったり、おもちゃだったり、ゲームだったり。
親としては、買い物の度に「また始まったな~はいはい」と思いながら聞こえないふりをしていたものです。
もちろん、欲しいものがあることは悪いことではありませんし、むしろ「これが欲しい」という気持ちは、時には頑張る力にもなります。
ただ、お金の勉強をする上で大切なのは、「欲しいもの」と「必要なもの」の違いを知る事、判断できるようになる事です。
欲しいものはたくさんある
考えてみると、私たちの周りには日々新しい商品やサービスが生み出され、欲しいものがあふれています。
新しいスマートフォン。
流行の洋服。
人気のお菓子。
ゲームやおもちゃ。
大人だって同じです。
新しい車が欲しい。
旅行へ行きたい。
ブランド品が欲しい。
欲しいものを挙げればきりがありません。
でも、もし欲しいものを全部買っていたらどうなるでしょう。きっとお金はいくらあっても足りませんよね。
必要なものとは何だろう
では、「必要なもの」とは何でしょうか。
食べるための食事。
学校へ行くための文房具。
季節に合わせた服。
安心して暮らすための家。
こうしたものは、生活するために必要なものです。
もちろん、人によって多少違いはあります。でも、生きていくために欠かせないものが「必要なもの」です。
買う前に考えてみる
私が子どもたちによく言っていたのは、「それ、本当に必要?」「どうして必要なの?」
という言葉でした。
意地悪で言っていたわけではありません。
自分で考える習慣を身につけてほしかったからです。
何かを欲しいと思った瞬間は、どうしても気持ちが大きくなります。
そんな時こそ、一度立ち止まって考えてみる。
本当に必要なのか。
今でなければいけないのか。
ほかのもので代用できないのか。
それがなかったら、どうなるのか。
そうやって考えるだけでも、何となく買ってしまうことは、ずいぶん減ると思います。
自分の頑張りに置き換えてみる
お手伝いをすることでお小遣いをもらっている場合は、自分のこととして考えやすいかもしれません。
たとえば、「そのお菓子、お皿洗い5回分と同じ値段だけれど、それでも買いたい?」と質問してみるのです。
お小遣いについては、基本的に「それは買ってはダメ」「貯めておきなさい」と口を出さないようにしていました。
ただし、考えるための質問はします。
そして、その上で本人が決めたことは、できるだけ尊重していました。
親から見れば、「それは買わなくてもいいのでは」と思うこともあります。
案の定、あとで「あれ、やっぱり買うのやめておいたら良かった・・・」って事も、多々ありますが、それでいいのです。
自分で考えて決めた経験は、たとえ少し失敗したとしても、その子にとって大切な学びになるはずです。
お金に振り回されないために
お金は、誰かが時間や知恵、労力を差し出した対価として受け取るものです。
そして、自分たちの暮らしを支え、必要なものや欲しいものと交換するための道具でもあります。
だからこそ、「何となく使ってしまう」のではなく、自分なりの考えを持って使うことが大切です。
便利な道具であるはずのお金に、反対に振り回されてしまわないように。
何かを買う前に一度考える習慣は、子どものうちから身につけておきたい大切な力だと思います。
我慢することが目的ではない
ここで勘違いしてほしくないのは、「欲しいものは買ってはいけない」という話ではないことです。
欲しいもののためにお金を貯めることも、大切な経験です。
自分で貯めたお金で欲しかったものを手に入れた時の喜びは、格別ですものね。
ただ、その前に、「これは本当に自分にとって価値のあるものだろうか」と考えてみることが大切なのです。
欲しいものを我慢することが目的なのではありません。
自分にとって、本当に満足できるお金の使い方を考えることが目的です。
大人になっても同じ
実は、この話は大人になっても変わりません。
収入が増えれば、使えるお金も増えます。ところが、それに合わせるように、欲しいものまで増えていくことがあります。
だからこそ、「欲しいもの」と「必要なもの」を見分ける力が大切になります。
この力が身についている人は、お金に振り回されにくくなります。
反対に、欲しいものを深く考えずに買い続けていれば、どれだけ収入が増えても、なかなかお金は残りません。
それだけでなく、足る事を知ることなく、幸せを感じにくくなってしまうかもしれません。
本当に大切なもの
私も子育てを終えて、感じることがあります。それは、人生で本当に大切なものは、意外とお金だけでは手に入らないということです。
家族と過ごす時間。
友達との思い出。
健康な心と体。
信頼できる人とのつながり。
こうしたものは、お店では売っていません。そしてお金を出せば、必ず手に入るというものでもありません。
お金をたくさん持っているはずなのに、なぜか幸せそうには見えない人がいるのも、この部分と関係しているのかもしれません。
大切なのは、お金をいくら持っているかだけではなく、そのお金を何のために使い、どのような人生を送りたいのかということです。
だからこそ、お金を使う時には、「これは本当に自分を幸せにしてくれるかな?」と考えてみてほしいのです。
今日からできること
もし何か欲しいものができたら、自分に質問してみてください。
「これは欲しいもの?」
「それとも必要なもの?」
「買ったあとも、満足していると思う?」
その小さな問いかけが、お金との上手な付き合い方を教えてくれます。
欲しいものをすべて我慢するためではありません。
自分にとって、本当に大切なものを選べる人になるためです。
何にお金を使うかを考えることは、自分がどのように生きたいのかを考えることにもつながります。
それは、子どものうちから少しずつ身につけておきたい、とても大切な力だと思います。
