子どもにかかるお金はいくら?妊娠・出産から大学まで

第2章-2 児童手当はいつからいくらもらえる?

赤ちゃんが生まれると、おむつやミルク、衣類、日用品など、これまでになかった支出が少しずつ増えていきます。そんな子育て家庭の暮らしを支えてくれる制度の一つが、児童手当です。

2026年8月15日時点の制度では、3歳未満の子どもには、1人につき月額1万5,000円が支給されます。さらに、第3子以降であれば、3歳未満でも3歳以上でも月額3万円です。所得制限はなくなり、支給対象も高校生年代まで広がっています。

ただし、赤ちゃんが生まれれば自動的に振り込まれるわけではありません。原則として、住んでいる市区町村への申請が必要です。

この記事では、

  • 児童手当はいつからもらえるのか
  • 毎月いくらもらえるのか
  • 実際に振り込まれるのはいつか
  • 第3子以降はどのように数えるのか
  • 申請が遅れたらどうなるのか

を、順番に分かりやすく解説します。

※本記事は、2026年8月15日時点で確認できるこども家庭庁等の公表情報をもとに作成しています。申請方法や実際の振込日、必要書類などは自治体によって異なる場合があります。手続きの際は、お住まいの市区町村または勤務先で最新情報をご確認ください。

児童手当とは?

児童手当は、子どもを養育している家庭の生活を支え、子どもの健やかな成長に役立てるために支給される手当です。

現在は、0歳から高校生年代までの子どもを養育している人が対象です。ここでいう高校生年代とは、実際に高校へ通っているかどうかではなく、18歳に達した後、最初の3月31日までを指します。

そのため、就職しているなど高校へ在学していない場合でも、年齢などの要件を満たせば児童手当の対象になることがあります。

2026年現在の児童手当はいくら?

2026年8月15日時点の支給額は、次のとおりです。

子どもの年齢 第1子・第2子 第3子以降
3歳未満 月15,000円 月30,000円
3歳以上~高校生年代 月10,000円 月30,000円

たとえば、初めての赤ちゃんであれば、3歳未満の間は月額1万5,000円です。1年間で考えると、

1万5,000円×12か月=18万円

となります。もちろん、実際に受け取る初年度の金額は、赤ちゃんが生まれた月によって異なります。

所得制限はなくなった

以前の児童手当には所得制限があり、所得が一定額を超えると支給額が少なくなったり、手当を受け取れなくなったりする仕組みがありました。しかし、2024年10月から児童手当が拡充され、所得制限は撤廃されました。

現在は、所得の高い家庭であっても、支給要件を満たせば児童手当を受け取れます。そのため、「うちは共働きで収入が高いから、児童手当は対象外だろう」と考えて申請しないのは避けましょう。

児童手当はいつからもらえる?

児童手当は、原則として、申請した月の翌月分から支給されます。赤ちゃんが生まれた場合は、出生後すぐに申請すれば、基本的には生まれた月の翌月分から児童手当の対象になります。

たとえば、5月10日に赤ちゃんが生まれ、5月中に児童手当を申請した場合は、6月分から児童手当が支給されます。出生した5月分から支給されるわけではない点に注意しましょう。

出生日の翌日から15日以内に申請する

赤ちゃんが生まれたときは、出生日の翌日から数えて15日以内に児童手当の申請をすることが大切です。特に注意したいのが、月末近くに赤ちゃんが生まれた場合です。

たとえば、8月30日に赤ちゃんが生まれたとします。役所へ行けるのが9月になったとしても、出生日の翌日から15日以内に申請すれば、特例により9月分から支給を受けられます。これを一般に「15日特例」と呼びます。

こども家庭庁も、出生日が月末に近く申請が翌月になった場合でも、出生日の翌日から15日以内であれば、申請月分から支給すると案内しています。

申請が遅れると、さかのぼって受け取れないことがある

児童手当で特に気をつけたいのが、申請の遅れです。児童手当は、「申請を忘れていたから、あとから半年分まとめてください」と申請しても、原則として遅れた月分までさかのぼって受け取ることはできません。

たとえば、本来6月分から受け取れるはずだったのに、申請が8月になってしまった場合、一定の例外を除き、6月・7月分を受け取れない可能性があります。赤ちゃんが生まれた後は、

  • 出生届
  • 健康保険
  • こども医療費助成
  • 児童手当

など、いくつもの手続きが重なります。その中でも児童手当は、「15日以内」を意識しておきましょう。

児童手当は毎月振り込まれるわけではない

児童手当は月額で決められていますが、毎月銀行口座へ振り込まれるわけではありません。

2026年現在は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の年6回、それぞれ2か月分ずつ支給されます。たとえば、

  •  2月:12月・1月分
  •  4月:2月・3月分
  •  6月:4月・5月分
  •  8月:6月・7月分
  • 10月:8月・9月分
  • 12月:10月・11月分

というイメージです。以前は年3回、4か月分ずつの支給でしたが、2024年10月の制度改正により、現在は2か月に一度の支給となっています。

3歳未満の子どもなら1回3万円が目安

第1子または第2子で3歳未満の場合、児童手当は月額1万5,000円です。そのため、通常の2か月分の支給では、

1万5,000円×2か月=3万円

が一つの目安になります。

たとえば、5月に第1子が生まれ、6月分から児童手当の対象になった場合、順調に手続きが進めば、8月の支給時期に6月・7月分の3万円を受け取るイメージです。ただし、実際の振込日は自治体ごとに確認してください。

第3子以降は月3万円

現在の児童手当で大きなポイントとなるのが、多子世帯への加算です。第3子以降の子どもについては、

年齢にかかわらず月額3万円

が支給されます。3歳未満だけでなく、3歳以上や高校生年代でも月額3万円です。2か月分なら6万円になります。ただし、「子どもを3人産んだら、一番下の子は必ず月3万円」という単純な仕組みではありません。

「第3子」の数え方は少し特殊

児童手当の第3子以降を数えるときは、児童手当そのものを受け取っている子どもだけを見るわけではありません。現在は、一定の条件を満たせば、22歳年度末までの兄や姉も人数に含めることができます。

具体的には、18歳年度末を過ぎた後から22歳年度末までの子どもについて、親が、

  • 監護に相当する世話などをしている
  • 生活費などを負担している

場合は、第3子を数える際の人数に含められます。

大学生の兄や姉がいても第3子になることがある

たとえば、次のような家庭を考えてみましょう。

  • 第1子:19歳・大学生
  • 第2子:5歳
  • 第3子:0歳

19歳の第1子について、親が大学の学費や生活費などを負担し、監護に相当する世話をしている場合は、第1子としてカウントできます。その場合、5歳の子どもは第2子、0歳の赤ちゃんは第3子となります。

児童手当そのものが支給されるのは5歳と0歳の子どもですが、月額は、

  • 5歳:1万円
  • 0歳:3万円

となり、合計月額4万円です。一方、上の子が年齢要件から外れていたり、親が生計費を負担していなかったりする場合は、数え方が変わる可能性があります。第3子以降の判定に18歳を超えた子どもが関係する場合は、自治体へ確認しておきましょう。

18歳を超えた兄姉を数えるには書類が必要になることがある

18歳年度末を超えて22歳年度末までの兄姉を、第3子以降のカウントに含める場合は、「監護相当・生計費の負担についての確認書」などの提出が必要になります。

「大学生の子どもがいるから、自動的に人数へ入る」というわけではありません。大学に通っているかどうかだけではなく、親が経済的な負担をしているかなどが確認されます。

誰が児童手当を受け取る?

夫婦で子どもを育てている場合、「父親と母親のどちらが申請するの?」と迷うことがあります。児童を養育している人が複数いる場合は、原則として生計を維持する程度が高い人が児童手当の受給者になります。一般的には、父母のうち所得が高い人が該当します。

ここで少し分かりにくいのが、現在は児童手当の所得制限自体はなくなっている点です。つまり、所得が高いから児童手当を受け取れないわけではない一方で、父母のどちらを受給者にするかを決める際には、所得などが判断材料になるということです。

里帰り出産の場合はどこへ申請する?

里帰り出産をして、実家のある市区町村へ出生届を提出する場合もあります。しかし、児童手当は原則として、受給者が住んでいる市区町村へ申請します。里帰り先の市区町村へ出生届を出したからといって、児童手当まで自動的に申請されるわけではありません。

出生日の翌日から15日以内という期限も変わりませんので、里帰り出産を予定している場合は、妊娠中に住民票のある自治体の申請方法を確認しておくと安心です。オンライン申請に対応している自治体もあるので確認しておきましょう。

公務員は勤務先へ申請する

児童手当を受け取る人が公務員の場合は、市区町村ではなく、原則として勤務先から児童手当が支給されます。そのため、出生時の申請も勤務先で行います。また、

  • 公務員になった
  • 公務員を退職した
  • 所属する官署が変わった

といった場合は、申請先が変わる可能性があります。こうした場合にも15日以内の手続きが関係するため、勤務先と市区町村の両方へ確認しましょう。

初めての子どもと第2子以降では申請書が違う

初めて児童手当を受け取る場合は、一般的に、認定請求書を提出します。すでに兄や姉の児童手当を受け取っていて、新たに赤ちゃんが生まれた場合は、額改定認定請求書などによる手続きを行います。

つまり、第2子が生まれたからといって、自動的に児童手当が増えるとは限りません。新しく赤ちゃんが生まれたことを届け出る必要があります。

申請には何が必要?

必要書類は自治体や家庭の状況によって異なりますが、一般的には、

  • 申請者の本人確認に必要なもの
  • マイナンバーが確認できるもの
  • 健康保険の資格を確認できるもの
  • 申請者名義の金融機関口座が分かるもの

などを求められることがあります。18歳を超えた兄姉を第3子以降のカウントに含める場合などは、追加書類が必要になることもあります。自治体のホームページで「児童手当 出生」と検索し、必要書類を確認してから申請するとスムーズです。

子ども名義の口座には振り込めない

「児童手当だから、子ども名義の口座へ直接入れて貯金したい」と考える人もいるでしょう。しかし、児童手当の振込先は、原則として児童手当を受け取る受給者本人名義の口座です。子ども名義や配偶者名義の口座を、直接の振込先にすることはできません。

児童手当を子どもの将来のために貯めたい場合は、受給者の口座へ振り込まれた後で、貯蓄用の口座などへ移す方法を考えましょう。

毎年の現況届は原則不要

以前は、児童手当を受け取り続けるために、毎年「現況届」を提出する必要がありました。現在は、原則として現況届の提出は不要です。ただし、

  • 離婚協議中で配偶者と別居している
  • DVなどにより住民票と異なる住所で受給している
  • 戸籍のない子どもを養育している
  • 自治体から提出するよう案内された

など、一部のケースでは引き続き提出が必要です。自治体から児童手当に関する書類が届いた場合は、「自分は提出不要だろう」と判断せず、内容を確認しましょう。

引っ越したときは再び15日以内を意識する

児童手当を受け取っている途中で、ほかの市区町村へ引っ越した場合は、転入先の自治体であらためて申請が必要です。

原則として、転出予定日の翌日から15日以内に手続きを行います。期限を過ぎると、遅れた月分の児童手当を受け取れない可能性があります。子どもが生まれたときだけでなく、引っ越しのときにも「15日」という期限を覚えておきましょう。

児童手当は生活費に使っても、貯めてもよい

児童手当を受け取り始めると、「全部子どものために貯金した方がよいのだろうか」と考える人もいるかもしれません。けれど、赤ちゃんが生まれた直後には、

  • おむつ
  • ミルク
  • 衣服
  • 医療や通院
  • 保育
  • 光熱費
  • 赤ちゃん用品

など、毎日の暮らしそのものにお金がかかります。児童手当を現在の子育て費用に使うことも、一つの使い方です。

一方、家計に余裕があれば、将来の教育費として一部または全部を貯める方法もあります。大切なのは、「児童手当は絶対に全部貯めなければならない」と決めることではなく、家族の今の暮らしと将来の両方を見ながら使い方を考えることです。

子どものための貯金については、第二章の「子どものための貯金を始める」で詳しく考えていきます。

児童手当は、子育てを家庭だけに任せないためのお金

赤ちゃんが生まれると、家族にはこれまでになかった支出が増えていきます。一つひとつは数百円、数千円でも、おむつやミルク、衣服、保育、教育と、子どもの成長に合わせて必要なお金は続いていきます。児童手当だけで、子育てにかかるすべてのお金をまかなえるわけではありません。

それでも、子どもが生まれてから高校生年代まで継続して受け取れる児童手当は、長い子育てを支える大切な制度の一つです。子どもを育てることを、一つの家庭だけの負担にするのではなく、社会全体で支えていく。児童手当には、そんな役割もあります。

赤ちゃんが生まれたら、まず期限内に申請を済ませましょう。そして受け取ったお金を、今の暮らしに使うのか、将来のために残すのか。家族で少しずつ考えていけば大丈夫です。

参考にした主な公的資料

  • こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
  • こども家庭庁「児童手当Q&A」
  • こども家庭庁「もっと子育て応援!児童手当」
  • こども家庭庁「『第3子以降』のカウント方法について」
  • こども家庭庁「児童手当Q&A(配偶者と別居されている場合の取扱いについて)」

 

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