赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの一年間には、さまざまなお祝いの行事があります。
お七夜。お宮参り。お食い初め。初節句。そして、1歳の誕生日。最近では、ハーフバースデーや月齢フォトなどを楽しむ家庭も増えています。
赤ちゃんの成長を家族で喜べる大切な機会ですが、いざ調べ始めると、「全部やった方がいいの?」「写真撮影や食事会までしたら、かなりお金がかかりそう」「祖父母も呼んだ方がいい?」と悩むこともあるでしょう。
結論からいえば、すべての行事を行う必要はありません。昔から続く行事も、現在では赤ちゃんや母親の体調、家族の予定に合わせて、柔軟に行われています。大切なのは、形式を完璧に整えることよりも、「ここまで元気に育ってくれてありがとう」という気持ちで、家族が赤ちゃんの成長を喜ぶことではないでしょうか。
この記事では、赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの代表的な行事と、それぞれにどのくらいのお金がかかるのかを紹介します。
※本記事は、2026年8月15日時点で確認できる情報をもとに作成しています。行事の風習は地域や家庭によって異なり、神社・飲食店・写真館などの料金も施設やプランによって大きく異なります。記事中の費用はあくまで予算を考えるための目安としてご覧ください。
1歳までにはどんな行事がある?
代表的な行事を時期順に並べると、おおよそ次のようになります。
| 時期 | 主な行事 | 費用の目安 |
| 生後7日ごろ | お七夜・命名 | 0~1万円程度 |
| 生後1か月ごろ | お宮参り | 5,000円~数万円以上 |
| 生後100日ごろ | お食い初め | 3,000円~数万円程度 |
| 3月3日・5月5日ごろ | 初節句 | 数千円~10万円以上 |
| 生後6か月 | ハーフバースデー | 0~数万円程度 |
| 1歳 | 初誕生日 | 5,000円~数万円程度 |
幅がかなり大きいことが分かります。これは、
- 自宅でお祝いするか
- 外食するか
- 祖父母などを招くか
- 衣装を用意するか
- 写真館で撮影するか
- 雛人形や五月人形を購入するか
によって、必要なお金が大きく変わるためです。「この行事なら○万円必要」と考えるより、何をするかを決めてから予算を組む方が現実的です。
生後7日ごろ|お七夜・命名
赤ちゃんが生まれて最初のお祝いとされるのが、「お七夜」です。昔から、生後7日目を一つの節目として赤ちゃんの誕生を祝い、名前を披露する風習がありました。現在では、
- 命名書を書く
- 赤ちゃんと命名書を一緒に撮影する
- 家族で食事をする
くらいのシンプルなお祝いにする家庭もあります。
お七夜にはいくらかかる?
自宅で簡単に行うのであれば、大きなお金は必要ありません。たとえば、
- 命名書:数百円~数千円
- 少し特別な食事:数千円
- ケーキなど:2,000~5,000円程度
などです。命名書を自分で書き、普段より少し豪華な食事を用意するだけなら、数千円以内でも十分にお祝いできます。
最近では、おしゃれな命名ボードやアクリルプレート、手形・足形を残すメモリアルグッズなどもありますが、もちろん必須ではありません。
生後7日ぴったりでなくても大丈夫
出産後7日目といえば、母親はまだ出産直後です。帝王切開などで入院中の場合もありますし、退院していても身体は十分に回復していません。赤ちゃんのお世話にも慣れていない時期です。
「昔から7日目と決まっているから」と無理をする必要はありません。写真だけ後から撮ったり、母親の体調が落ち着いてから家族で食事をしたりしてもよいでしょう。
生後1か月ごろ|お宮参り
お宮参りは、赤ちゃんが初めて神社へ参拝し、誕生を報告するとともに、健やかな成長を願う行事です。伝統的には、男の子は生後31日目、女の子は33日目ごろとされています。
ただし、現在では日にちに厳密にこだわらず、赤ちゃんや母親の体調、天候、家族の予定などに合わせて参拝する家庭も多くなっています。真夏や真冬であれば、気候が落ち着いてから行ってもよいでしょう。
お宮参りでかかる主なお金
お宮参りでは、主に次の費用が考えられます。
- 神社への初穂料
- 赤ちゃんの祝い着
- 父母の衣装
- 写真撮影
- 家族での食事
- 交通費
どこまで行うかによって、総額はかなり変わります。
初穂料はいくら?
神社で正式にご祈祷を受ける場合は、「初穂料」や「祈祷料」を納めます。
金額は神社ごとに異なりますが、5,000円~1万円程度からを一つの目安として考えておくとよいでしょう。金額を決めている神社もあれば、「お気持ちで」と案内しているところもあります。
ご祈祷を希望する場合は、参拝予定の神社の公式サイトや電話で事前に確認しておくと安心です。また、神社へ参拝するだけで、ご祈祷を受けないという選択もあります。
祝い着は買わなくてもよい
赤ちゃんのお宮参りでは、祝い着と呼ばれる着物を使うことがあります。ただし、購入しなければならないものではありません。
- 家族が持っているものを使う
- 祖父母から譲り受ける
- レンタルする
- ベビードレスで参拝する
という方法もあります。
写真館や写真スタジオの中には、記念撮影を申し込むと、お宮参り用の祝い着を無料または割引料金でレンタルできるところもあります。祝い着を購入する予定がない場合は、こうしたサービスを利用することで衣装代を抑えられることもあります。
ただし、撮影料とは別に、写真データやアルバム、プリント代などが必要になる場合があるため、予約前に最終的な総額を確認しておきましょう。
写真撮影は意外と大きな費用になることも
お宮参りの費用で大きくなりやすいのが、記念写真です。写真館や写真スタジオでは、撮影料+写真・データ・アルバムなどの商品代という料金体系が一般的です。
撮影料だけを見ると数千円程度でも、複数の写真データやアルバム、台紙などを追加すると、総額が数万円になることがあります。「撮影料○○円」という表示だけで判断せず、
- 写真は何枚欲しいか
- データも必要か
- アルバムを作るか
- 衣装代は含まれているか
まで考えた総額を確認してから予約すると安心です。また最近ではスタジオではなく、SNSなどでカメラマンを探し、お宮参りに同行していただき撮影をする人も多い様です。事前に費用や拘束時間、データーなどの納品方法などを確認し、過去の作品などを見て依頼をするのも良いかと思います。
お宮参りとお食い初めを一緒にしてもよい
生後1か月のお宮参りと、生後100日ごろのお食い初め。別々に行えば、衣装、食事、写真撮影などの費用もそれぞれかかります。そこで、生後2~3か月ごろに、お宮参りとお食い初めを同じ日に行うという方法もあります。赤ちゃんや母親の体調を優先できるだけでなく、
- 祖父母が集まる回数を減らせる
- 写真撮影を一度にできる
- 外食費や交通費をまとめられる
というメリットもあります。伝統的な日にちに合わせることより、家族みんなが気持ちよくお祝いできる日を選んでもよいでしょう。
生後100日ごろ|お食い初め
お食い初めは、「この子が一生食べ物に困りませんように」という願いを込めて行う行事です。生後100日ごろに行うことから、「百日祝い」とも呼ばれます。
赤飯や鯛、お吸い物、煮物などのお膳を用意し、赤ちゃんに食べさせるまねをします。地域によっては、丈夫な歯が生えることを願う「歯固めの石」を使う風習もあります。もちろん、生後100日ぴったりである必要はありません。
お食い初めにはいくらかかる?
自宅で行うか、飲食店で行うかによって費用が変わります。
自宅で行う場合
- 鯛
- 赤飯
- お吸い物
- 煮物
- 香の物
- ケーキなど
を用意しても、人数にもよりますが、数千円程度から行えます。お食い初め用の食器を新しく購入する場合は、その費用が加わります。
最近では、一度しか使わない専用食器を購入せず、普段使いのベビー食器を使う家庭もあります。また、お食い初め料理をセットにした宅配・通販商品などを利用する方法もあります。
飲食店で行う場合
日本料理店やホテル、料亭などには、お食い初め用のお膳や百日祝いのプランを用意しているところがあります。赤ちゃん用のお食い初め膳だけであれば、数千円程度から利用できるところもあります。ただし、実際に大きくなりやすいのは大人の食事代です。たとえば、
両親2人+祖父母4人の6人で食事をし、大人一人5,000円なら、5,000円×6人=3万円です。そこへ、赤ちゃんのお祝い膳代、飲み物、個室料やサービス料などが加われば、4万円以上になることもあります。
お食い初めそのものより、誰を招いて、どのように食事をするかによって費用が大きく変わると考えておきましょう。
初節句|3月3日・5月5日ごろ
赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句を、「初節句」といいます。伝統的には、
3月3日:桃の節句
5月5日:端午の節句
として、子どもの健やかな成長を願います。現在は家庭によって祝い方もさまざまです。家族で食事をするだけの家庭もあれば、人形を飾り、祖父母を招いてお祝いする家庭もあります。
初節句で最も金額差が大きいのが人形
初節句では、
- 雛人形
- 五月人形
- 兜
- 鯉のぼり
- 名前旗
などを購入する家庭があります。価格帯は非常に幅広く、コンパクトな飾りなら数万円程度から、本格的なものでは10万円を超える商品もあります。さらに、大型の段飾りや伝統工芸品などを選べば、それ以上になることもあります。
しかし、初節句=高価な人形を買わなければならないということではありません。住宅事情に合わせて小さな飾りを選んだり、祖父母から受け継いだものを飾ったり、季節の花や手作りの飾りだけでお祝いしたりする家庭もあります。
「誰が買う?」は早めに話しておく
雛人形や五月人形については、「母方の祖父母が買う」「父方が用意する」など、地域や家庭によってさまざまな考え方があります。
こうした昔からの慣習が原因で、「こちらが買うつもりだった」「もう注文してしまった」という行き違いが起こることもあります。購入を考えている場合は、
- 誰が選ぶか
- 誰が費用を負担するか
- どこに飾るか
- 収納場所はあるか
を、早めに家族で話しておきましょう。金額だけでなく、毎年出して片づけるものであることも考えて選ぶことが大切です。
生後6か月|ハーフバースデー
ハーフバースデーは、赤ちゃんが生後6か月を迎えたことを祝う比較的新しいイベントです。昔からの伝統行事ではありません。そのため、「やらないといけないの?」と考える必要はまったくありません。自宅で、
- 「1/2」の飾りを置いて写真を撮る
- 少し特別な離乳食を作る
- 家族でケーキを食べる
だけでも十分です。
ハーフバースデーは0円でも楽しめる
ハーフバースデーは、工夫次第でほとんどお金をかけずに楽しめます。自宅にある布やぬいぐるみを使って月齢フォトを撮るだけなら、費用はかかりません。
一方、写真館や写真スタジオの中には、ハーフバースデー向けの撮影プランを用意しているところもあります。衣装や背景セットを使った写真を残したい家庭には一つの選択肢です。ただし、
- お宮参り
- お食い初め
- 初節句
- ハーフバースデー
- 1歳の誕生日
と毎回プロに撮影を依頼すると、年間の写真代も大きくなります。「写真館で残すイベントはどれにするか」をあらかじめ決めておくのも一つの方法です。
1歳|初めての誕生日
そして迎える、1歳の誕生日。一年前にはまだ抱かれているだけだった赤ちゃんが、寝返りをし、座り、はいはいをし、早い子なら歩き始めています。1年間の成長を振り返る、大きな節目の日です。現在では、
- バースデーケーキ
- スマッシュケーキ
- 記念撮影
- 一升餅
- 選び取り
- プレゼント
- 家族での食事
などを組み合わせてお祝いする家庭があります。
一升餅とは?
1歳の誕生日に行われる伝統的な行事の一つが「一升餅」です。「一升」と「一生」をかけて、一生食べ物に困らないように、一生健やかに過ごせるようにと願います。
赤ちゃんに一升分のお餅を背負わせる地域もあります。現在では、背負いやすいように小分けされたお餅や、一升パン、お米などを使う家庭もあります。
また、飲食店やホテルなどには、一升餅や選び取り、食事を組み合わせた1歳祝いのプランを用意しているところもあります。伝統どおりのお餅でなければならないわけではなく、地域や家庭に合った方法で楽しめばよいでしょう。
選び取りはお金をかけずにできる
「選び取り」は、赤ちゃんの前にいくつかの物を並べ、最初に選んだ物から将来を占う遊びです。たとえば、
- お金:商才
- 筆:芸術や学問
- そろばん:計算や商売
- 本:学問
- ボール:スポーツ
などです。最近では、実物ではなく「選び取りカード」を使う家庭もあります。カードは市販されていますが、自分で紙に絵を描けば費用はほとんどかかりません。将来を本気で占うものではなく、「何を取るかな?」と家族で楽しむイベントとして考えるとよいでしょう。
1歳の誕生日にはいくらかかる?
自宅で家族だけでお祝いするなら、
- ケーキ:2,000~5,000円程度
- 一升餅など:数千円程度
- 飾り付け:0~3,000円程度
- プレゼント:数千円~1万円程度
など、1万円前後からでも十分に楽しめます。一方、
- 写真館
- レストランやホテル
- 祖父母を招いた食事
- 特別な衣装
- 高額なおもちゃ
などを加えると、数万円以上になることもあります。1歳の誕生日は、「いくらかけるか」より、家族にとってどんな一日にしたいかを先に考えてみましょう。
1年間すべて写真館で撮ると、思った以上の金額になることも
赤ちゃんの一年間には、写真を残したくなる節目がたくさんあります。特に初めてのお子さんともなると、親も祖父母も、この可愛い瞬間を記念に残したいと、誰しも思うかもしれません。
しかし、一つ一つ数万円であっても、年間で見ると大きな金額になります。たとえば、1回3万円の記念撮影を5回行えば、3万円×5回=15万円です。もちろん、それだけ思い出を形に残すことに価値を感じる家庭もあります。
一方、お宮参りと1歳だけ写真館、それ以外はスマートフォンで撮影という方法でも、赤ちゃんの成長は十分に残せます。写真には、「いくらかけるのが正解」というものはありません。
祖父母を招くと食事代が増えやすい
行事の予算で見落としやすいのが、大人の食事代です。赤ちゃん本人のお食い初め膳が数千円でも、両親2人+祖父母4人で食事をすれば、大人6人分の食事代が必要です。
1人5,000円なら3万円。1人1万円なら6万円です。さらに、飲み物・個室料・サービス料・交通費などが加わる場合もあります。
祖父母を招くこと自体は素敵なことですが、「食事会まで行うか」は家計と相談して決めましょう。自宅でお弁当や仕出し料理を囲む方法もあります。
お祝いをもらったら内祝いも考える
初節句や1歳の誕生日などに、祖父母や親戚からお祝いをいただくことがあります。その場合、内祝いを用意する家庭もあります。
ただし、親や祖父母からのお祝いについては、「お返しはいらないよ」と言われることもありますし、食事会へ招くことでお返しとする地域・家庭もあります。形式的に必ず半額返しをしなければならない、と考える必要はありません。
家族の関係や地域の慣習に合わせて考えましょう。いただいた金額のすべてを赤ちゃん用品に使ってしまう前に、お返しが必要かだけ確認しておくと安心です。
行事費用は「特別費」として別にしておく
お宮参りや初節句、誕生日などは、毎月発生する生活費ではありません。そのため、食費や日用品費と同じ家計簿で管理するより、「特別費」として別にしておくと分かりやすくなります。たとえば、赤ちゃんが生まれた時点で、
- お宮参り:3万円
- お食い初め:1万円
- 初節句:3万円
- 1歳誕生日:2万円
など、大まかな予算を決めておきます。合計9万円なら、一度に準備するのではなく、月7,500円×12か月=9万円と、毎月少しずつ積み立てる方法もあります。
児童手当を行事費に使ってもよい
3歳未満の第1子・第2子であれば、2026年8月15日時点の児童手当は月額1万5,000円です。児童手当の一部を、
- お宮参り
- 初節句
- 誕生日
- 子どもの用品
など、今の子育てに使う方法もあります。すべて教育費として貯金しなければならない制度ではありません。ただし、行事のたびに使い切ってしまうのではなく、「今使う分」と「将来に残す分」をあらかじめ分けておくと、家計を管理しやすくなります。
SNSを見て「ここまでしなければ」と思わなくていい
赤ちゃんの行事について調べると、SNSにはとても華やかな写真が並んでいます。
美しい衣装。豪華なお食い初め膳。おしゃれな飾り付け。スタジオで撮影した写真・・・それを見ていると、「うちも同じようにしてあげなければ」と思ってしまうかもしれません。けれど、SNSに写っているのは、その家庭の一つの選択です。誰かと比べるものでもありません。
赤ちゃんにとって、高価な衣装だったかとか、立派なレストランだったか、大きな雛人形を買ってもらったか、ということが、愛情の大きさを決めるわけではありません。あくまで自分達らしいお祝いの仕方の参考にする程度にしましょう。
行事を減らしても、思い出は減らない
生後7日。
1か月。
100日。
6か月。
1歳。
赤ちゃんの最初の一年には、たくさんの節目があります。けれど、本当の成長は、行事の日だけに起きているわけではありません。
初めて笑った日。
初めて寝返りをした日。
初めて離乳食を食べた日。
初めて「パパ」「ママ」のような声を出した日。
昨日までできなかったことが、ある日突然できるようになる。そんな何でもない一日も、後から振り返れば大切な思い出になります。
行事を全部する必要も、毎回大きなお金をかける必要もありません。家族が大切にしたい節目を選び、「元気にここまで育ってくれてありがとう」と一緒に喜ぶ。
それだけでも十分なお祝いです。
赤ちゃんの最初の一年は、一度しかないとは言え、イベントに追われるのではなく、家族にとって心地よい形で、その小さな成長を楽しんでいきましょう。
参考にした主な公的資料
- 神社本庁「出産と育児に関する神事」
- 神社本庁「節供」
- 神社本庁「神社でのご祈願」※費用の目安については、2026年8月時点で公開されている写真館、飲食店、宿泊施設、節句人形販売店など複数の料金情報も参考にしています。実際の料金は地域・店舗・プランによって異なります。
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