3歳から何が無料になるの?
子どもが3歳に近づくと、幼稚園や保育園について調べ始める家庭も増えてきます。そこでよく耳にするのが、「幼児教育・保育の無償化」です。
「3歳になったら保育料は全部無料?」「幼稚園も保育園も同じ?」「給食費や預かり保育も無料になる?」
制度の名前だけを見ると、園にかかるお金がすべてなくなるようにも感じます。けれど、無償になるのは基本的に施設の利用料です。給食費や送迎費、行事費など、家庭が支払うお金は残ります。
この記事では、3歳から小学校入学前までの幼児教育・保育の無償化について、できるだけシンプルに整理します。
※本記事は、2026年9月10日時点で確認できるこども家庭庁の公表情報をもとに作成しています。実際の費用や手続きは自治体・施設によって異なるため、利用する園やお住まいの自治体でもご確認ください。
3~5歳の利用料は原則無料
幼児教育・保育の無償化では、幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3~5歳の子どもの利用料が原則として無償になります。
この年齢については、基本的に所得制限はありません。対象になる主な施設は、幼稚園、保育所、認定こども園、地域型保育、一定の企業主導型保育などです。
ただし、「3歳から」という言葉には少し注意が必要です。
保育園は「3歳の誕生日」から無料になるわけではない
保育所などの場合、原則として無償化の対象になるのは、3歳になった後の最初の4月1日から、小学校入学前までです。つまり、一般にいう3歳児クラスからです。
たとえば6月に3歳になった場合、その日からすぐ保育料が無料になるのではなく、翌年4月から対象になります。
一方、幼稚園については入園できる年齢に合わせ、満3歳から無償化の対象になります。ここは、幼稚園と保育園で違うポイントです。
幼稚園はすべて同じ金額が無料になるわけではない
幼稚園には、子ども・子育て支援新制度の対象になっている園と、そうでない園があります。
新制度の対象となる幼稚園では、対象年齢の利用料は原則無料です。
一方、新制度へ移行していない幼稚園については、2026年9月10日時点では月額2万5,700円までが無償化の対象です。
たとえば月額利用料が3万円なら、3万円-2万5,700円=4,300円については自己負担になる可能性があります。
自分が検討している幼稚園がどの制度に該当するか、園または自治体へ確認しておきましょう。
預かり保育も条件を満たせば対象になる
幼稚園の通常時間が終わった後に利用する「預かり保育」も、一定の条件を満たせば無償化の対象になります。ただし、誰でも自動的に無料になるわけではありません。
保護者の就労などにより、自治体から「保育の必要性の認定」を受ける必要があります。
2026年9月10日時点では、利用日数に応じて月額1万1,300円までが無償化の対象です。1か月の利用日数が25日以内の場合は、1日450円×利用日数が上限になります。
たとえば月20日利用した場合は、450円×20日=9,000円までが対象となります。
「預かり保育を使えば必ず1万1,300円分無料」という意味ではない点に注意しましょう。
認可外保育施設は月3万7,000円まで
認可外保育施設などを利用する3~5歳児も、自治体から「保育の必要性の認定」を受けるなどの条件を満たせば、月額3万7,000円まで無償化の対象になります。
対象には一定の要件があり、すべての認可外施設が無条件で対象になるわけではありません。利用前に自治体へ確認しておきましょう。
何が無料になるのか?
2026年9月10日時点の主な内容をまとめると、次のようになります。
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利用する施設・サービス
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無償化の内容
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| 保育所・認定こども園など | 3~5歳児クラスの利用料が原則無料 |
| 幼稚園 | 満3歳から利用料が原則無料 |
| 新制度に移行していない幼稚園 | 月2万5,700円まで |
| 幼稚園の預かり保育 | 条件を満たせば月1万1,300円まで |
| 認可外保育施設等 | 条件を満たせば月3万7,000円まで |
制度だけを見ると、3歳以降はかなり負担が軽くなります。ただし、ここからが大切です。
「無償化=園に払うお金が0円」ではない
無償化の対象にならない費用があります。代表的なのは、給食などの食材料費、通園バスなどの送迎費、行事費、制服、教材、日用品などです。
これらは原則として家庭の負担です。そのため、「3歳になったら保育園・幼稚園のお金は一切かからなくなる」とは考えない方がよいでしょう。
園によっては、利用料は無償でも、給食費や教材費、行事費などが毎月必要になります。
給食費が免除される家庭もある
食材料費は原則として自己負担ですが、おかずやおやつなどの副食費については、年収360万円未満相当の世帯や第3子以降など、一定の条件を満たす場合に免除される仕組みがあります。
なお、「年収360万円未満相当」はあくまで目安で、実際の判定は市町村民税額などをもとに行われます。
また、自治体独自でさらに負担を軽くしている場合もあります。きょうだいがいる家庭や、所得要件に該当する可能性がある家庭は、自治体の制度も確認してみましょう。
0~2歳とは無償化の条件が違う
第二章でも触れましたが、0~2歳児については、国の制度では原則として住民税非課税世帯が無償化の対象です。
一方、3~5歳児は所得にかかわらず、対象施設の利用料が原則無償になります。
そのため、3歳児クラスになると、それまで毎月払っていた保育料が大きく下がる家庭もあります。
このタイミングは、家計を見直す機会でもあります。
保育料がなくなった分を・・・
保育料が月3万円かかっていた家庭なら、無償化によって年間では大きな負担減になります。
すると、「浮いた分で英語を始めよう」「そろそろ習い事を増やそう」と考えることもあるでしょう。
もちろん、子どもが興味を持っていることに使うのも一つの方法です。
ただ、これから先には、小学校入学、習い事、中学校、高校、そして大学など、教育費が少しずつ増えていきます。
保育料が軽くなった分の一部を、将来の教育費として貯め始めるのもよいタイミングです。
たとえば、それまで月3万円払っていた保育料のうち、1万円は習い事、1万円は教育費の積立、残り1万円は家計に余裕を持たせるという分け方でも構いません。
「無料」という言葉だけで園を選ばない
幼児教育・保育の無償化によって、3歳以降の家計負担は以前より軽くなっています。それは子育て家庭にとって大きな支援です。
ただし、「無償化だから、どの園でも費用は同じ」ではありません。
給食、送迎、制服、教材、行事、預かり保育など、園によって必要なお金は違います。
そして、もちろん費用だけでなく、子どもに合っているか、通いやすいか、保育や教育の考え方に共感できるかも、もっと大切です。
まず、利用料は無償化される。そのうえで、実際には何に、いくら必要なのか。この2つを分けて考えてみましょう。
制度を知っていれば、「無料だと思っていたのに、意外とお金がかかった」という戸惑いも減らせます。
参考にした主な公的資料
・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化、利用者負担」
・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化制度 よくある質問」
・こども家庭庁「子ども・子育て支援制度」
※無償化の対象範囲や申請方法、実費負担は自治体・施設によって異なる場合があります。
