子どもにかかるお金はいくら?妊娠・出産から大学まで

第3章-2 幼稚園・保育園・認定こども園の違いと費用

子どもが3歳に近づくと、「幼稚園と保育園、何が違うの?」「認定こども園って、どちらに近いの?」と迷うことがあります。以前は、

幼稚園=教育を受ける場所
保育園=働く親が子どもを預ける場所

というイメージが強かったかもしれません。

今は預かり保育を行う幼稚園も多く、幼稚園と保育園の両方の機能を持つ認定こども園もあります。さらに3歳以降は、幼児教育・保育の無償化によって利用料の負担も大きく変わります。

この記事では、幼稚園・保育園・認定こども園の違いを、利用できる家庭・利用時間・申込み方法・費用を中心に整理します。

※本記事は、2026年9月10日時点で確認できるこども家庭庁・文部科学省の公表情報をもとに作成しています。利用条件や実費負担、申込方法などは自治体・施設によって異なる場合があります。


幼稚園・保育園・認定こども園の違いを簡単に比較

まず、大まかな違いを見てみましょう。

幼稚園 保育園(保育所) 認定こども園
主な対象年齢 3歳~就学前 0歳~就学前 0歳~就学前
主な役割 幼児教育 保育 幼児教育+保育
保護者の
就労要件
なし 保育の必要性が必要 3~5歳は就労の有無にかかわらず利用可能
基本的な
利用時間
1日4時間程度が標準 夕方まで 利用区分によって異なる
3~5歳の利用料 原則無償 原則無償 原則無償

こども家庭庁は、幼稚園を「幼児期の教育を行う学校」、保育所を「家庭で保育できない保護者に代わって保育する施設」、認定こども園を「幼稚園と保育所の機能や特徴をあわせ持つ施設」と整理しています。


幼稚園|3歳から通える「学校」

幼稚園は、学校教育法上、小学校や中学校と同じ「学校」に位置づけられています。対象は原則として満3歳から小学校入学前までです。保護者が働いているかどうかは問われません。

そのため、専業で子育てをしている家庭も、共働き家庭のどちらでも利用できます。

基本の教育時間は1日4時間程度

幼稚園の教育時間は、1日4時間を標準としています。一般的には朝に登園し、昼過ぎごろに降園します。

ただし現在は、通常の教育時間が終わったあとに「預かり保育」を行う園もあります。

共働きで幼稚園を選ぶ場合は、何時まで預かってもらえるのか?、夏休みなど長期休業中も利用できるのか?を確認しておくとよいでしょう。


保育園|仕事などで家庭での保育が難しい家庭が利用

一般に「保育園」と呼ばれる認可保育所は、児童福祉法に基づく児童福祉施設です。

保護者が仕事などの理由で家庭で保育できない場合に、子どもを保育します。

利用するには、市区町村から「保育の必要性」の認定を受ける必要があります。

対象になる理由は仕事だけではありません。妊娠・出産、保護者の病気や障害、家族の介護、求職活動、就学なども対象になる場合があります。

利用時間は家庭によって違う

保育の必要量によって、

保育標準時間:最長11時間
保育短時間:最長8時間

という区分があります。ただし、認定を受ければ必ず毎日11時間利用できるという意味ではありません。実際の利用時間は、仕事や通勤時間などを考慮して必要な範囲で決まります。

延長保育を利用すると、別途料金が必要になる園もあります。


認定こども園|幼稚園と保育園の両方の機能を持つ

認定こども園は、幼稚園の教育と、保育園の保育の両方の機能や特徴を持つ施設です。

0~2歳は、原則として保育を必要とする家庭が利用します。

3~5歳になると、保護者が働いているかどうかにかかわらず教育・保育を受けられます。

たとえば、「母親が仕事をしている間は夕方まで利用」、「その後退職して家庭で子育てすることになった」という場合でも、3~5歳であれば、認定区分などを変更して同じ園へ通い続けられることがあります。

保護者の働き方が変わっても、通い慣れた園を継続利用しやすいことは、認定こども園の特徴の一つです。


よく出てくる「1号・2号・3号認定」とは?

園を調べていると、「1号認定」「2号認定」という言葉が出てきます。簡単に整理すると、

1号認定満3歳以上で、幼児教育を利用する子ども。主に幼稚園・認定こども園。
2号認定満3歳以上で、保育が必要な子ども。主に保育園・認定こども園。
3号認定満3歳未満で、保育が必要な子ども。主に保育園・認定こども園・地域型保育。

となります。3歳以降の認定こども園では、

1号なら幼稚園に近い利用
2号なら保育園に近い利用

と考えると分かりやすいでしょう。

申込み先も少し違う

幼稚園や認定こども園を1号認定で利用する場合は、基本的に希望する園へ直接申し込みます。

一方、保育園や認定こども園を2号・3号認定で利用する場合は、市区町村へ保育の必要性の認定と利用申込みを行い、自治体が利用調整をします。

そのため、「入りたい園へ直接申し込めばよい」とは限りません。特に保育利用を希望する場合は、自治体の申込期限を早めに確認しておきましょう。


3~5歳なら利用料は原則無償

2026年9月10日時点では、幼稚園・保育園・認定こども園などを利用する3~5歳の子どもの利用料は、幼児教育・保育の無償化の対象です。

ただし前の記事で解説したとおり、幼稚園の場合は満3歳から対象となる一方、保育園などでは原則として3歳になった後の最初の4月1日から対象になります。

また、子ども・子育て支援新制度の対象になっていない幼稚園では、無償化の上限は月額2万5,700円です。

無償化されても「完全に0円」ではない

どの施設でも注意したいのが、利用料以外のお金です。

たとえば、【給食費・通園バス代・制服・教材・行事費・延長保育・預かり保育】などは、別途負担になることがあります。

こども家庭庁も、通園送迎費、食材料費、行事費などは原則として保護者負担としています。

そのため、園を比較するときは、「保育料はいくら?」だけではなく、「1年間に家庭から支払う総額はいくら?」と確認するのがおすすめです。

幼稚園だから安い、保育園だから高いとは限らない

3歳以降は利用料が無償化されているため、以前ほど単純に、「幼稚園の方が安い」「保育園の方が高い」とは言えません。

たとえば幼稚園で、預かり保育や通園バス、制服に教材、行事費用など、利用すれば実費負担が増えることがあります。

反対に、保育園でも給食費や延長保育料などが必要になる場合があります。

認定こども園でも、園独自の費用があります。

施設の種類より、その園で実際に何が必要なのかを見ることが大切です。


どこを選べばいい?

幼稚園・保育園・認定こども園のどれが一番よい、という答えはありません。家庭によって優先したいことが違うからです。

たとえば、

教育時間を中心に通わせたい→ 幼稚園や認定こども園の1号利用
夕方まで日常的に預けたい→ 保育園や認定こども園の2号利用
今後、働き方が変わる可能性がある→ 認定こども園も選択肢

という考え方があります。

ただし、最終的には施設の種類だけでなく、子どもに合う雰囲気か?自宅から通いやすいか?預かり時間は生活に合うか?長期休暇中はどうなるか?実費はいくらか?といったところまで確認しましょう。

「幼稚園か保育園か」より、その家庭に合うか

幼稚園だから教育が充実している。
保育園だから教育をしていない。

というイメージを持たれている人も多い様ですが、単純な違いではありません。幼稚園、保育園、認定こども園には、それぞれ国が定める教育・保育の基準があるからです。

特に3歳以降は、どの施設でも子どもの育ちや学びを大切にした教育・保育が行われています。名称だけで判断せず、実際に園を見学してみることも大切です。

3歳から小学校入学までは、毎日の多くの時間を過ごす場所になります。

費用や利用時間、通いやすさや教育方針ももちろんですが、その子が安心して過ごせそうか?家計と家族の生活、両方に合った園を選んでいきましょう。


参考にした主な公的資料

  • こども家庭庁「よくわかる『子ども・子育て支援新制度』」
  •  こども家庭庁「認定こども園概要」
  •  こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」
  •  こども家庭庁「保育所保育指針」
  •  文部科学省「幼稚園について」
  •  文部科学省「幼稚園教育要領」※利用時間、延長保育、預かり保育、実費負担、申込み方法などは自治体・施設によって異なります。

 

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