子どもにかかるお金はいくら?妊娠・出産から大学まで

第3章-3 小学校入学までにかかる教育費

無償化後も必要なお金は?

3歳になると、幼稚園や保育園、認定こども園などで過ごす時間が増えてきます。幼児教育・保育の無償化によって、3~5歳の利用料は原則無料です。

それなら、「3歳から小学校入学までは、教育費がほとんどかからないの?」と思うかもしれません。

しかし実際には、無償化の対象にならない費用があります。この記事では、3歳から小学校入学までに、実際にどのくらいのお金がかかるのかを見ていきます。

※本記事は、2026年9月10日時点で確認できる公的情報をもとに作成しています。園や自治体、家庭の教育方針によって実際の費用は大きく異なります。


幼児教育・保育の「利用料」は原則無料

第3章-2の「幼稚園・保育園・認定こども園の違いと費用」でもお話したように、幼稚園・保育所・認定こども園などを利用する3~5歳児の利用料は、原則として無償化されています。

ただし、無償化=園生活にかかる費用がすべて無料ではありません。

こども家庭庁では、通園送迎費、食材料費、行事費などは、原則として保護者負担としています。

つまり3歳以降は、「保育料」から「その他の教育・生活費」へ支出の中身が変わっていくと考えると分かりやすいでしょう。


幼稚園では年間どのくらいかかっている?

文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」によると、幼稚園に通う子ども一人当たりの年間学習費総額は、

公立幼稚園 18万4,646円
私立幼稚園 34万7,338円

でした。

この金額には、学校教育費、学校給食費、学校外活動費が含まれています。

単純に3年間で考えると、

公立:約55万円
私立:約104万円

となります。

ただし、これは幼稚園に通う家庭の全国平均で、保育園や認定こども園を含めた「3~5歳の子ども全体の平均教育費」ではありません。

また、家庭によって習い事の数なども違うため、「必ずこの金額が必要」という意味でもありません。

家計を考えるための一つの目安として見ておきましょう。

公立と私立で差が出る

年間の学習費を比べると、次のようになります。

公立幼稚園 私立幼稚園
学習費総額 約18.5万円 約34.7万円
学校教育費 約6.9万円 約15.4万円
学校給食費 約1.5万円 約3.6万円
学校外活動費 約10万円 約15.8万円

私立幼稚園の学習費総額は、公立の約1.9倍です。

利用料そのものは無償化されていても、教材、制服、園用品、行事、給食、園独自の教育活動などに違いがあるため、実際の負担額には差が出ます。

園を選ぶときは、「月の利用料」ではなく「年間でいくら必要か」を確認しておくことが大切です。

給食費は原則として自己負担

幼児教育・保育の無償化では、食材料費は原則として家庭が負担します。園によって、月額制、1食ごと、給食とお弁当の併用など違いがあります。

3歳児以上などの給食費は、主食費と副食費に分けて考えられます。

主食費:お米、麺、パン代など。
副食費:おかず、おやつ、お茶代など。

主食費は全世帯の保護者から徴収しますが、年収360万円未満相当の世帯や第3子以降など、一定の条件を満たす場合には、副食費が免除される制度があります。

自治体独自の給食費助成がある場合もあり、アレルギー除去食などの特別食の提供が必要な子どもも対象となりますので、確認してみましょう。

制服・園用品は入園時にまとまってかかりやすい

幼稚園や認定こども園などでは、制服、帽子、通園バッグ、体操服、上履き、教材、お道具箱などをそろえる場合があります。

一つひとつはそれほど高額でなくても、一度に購入するとまとまった支出になります。

さらに子どもは成長が早いため、「入園時に買った制服が卒園まで使える」とは限りません。途中でサイズアップが必要になることも考えておきましょう。

具体的な金額は園による差が大きいため、見学や説明会で「入園時に必要な費用はいくらくらいですか?」と確認しておくと安心です。

行事費・写真代などの小さな支出も積み重なる

園生活では、遠足、運動会、発表会、作品づくり、写真販売、卒園関係など、年間を通してさまざまな支出があり、一回数百円、数千円でも、年間ではそれなりの金額になります。

特に卒園前は、卒園アルバム、記念品、卒園行事などの費用が増えることがあります。

毎月の家計だけでなく、「年間行事用の予備費」を少し持っておくと対応しやすくなります。

通園バスや預かり保育にも費用がかかることがある

園によっては通園バスを利用できます。便利ですが、通園送迎費は原則として無償化の対象外です。

また、保育園や認定こども園の延長保育料も、原則として無償化の対象にはなりません。

幼稚園の預かり保育については、保育の必要性の認定を受ければ一定額まで無償化の対象になりますが、条件や上限があります。

共働き家庭では、通常の園費に加えて、預かり・延長費用、送迎費まで含めて考えておきましょう。

意外と大きいのが「園の外」の教育費

文部科学省の調査では、幼稚園児の年間の学校外活動費は、

公立:約10万円
私立:約15万8,000円

でした。月平均にすると、おおよそ公立で8,000円程度、私立で1万3,000円程度です。

ここには家庭学習や習い事などが含まれています。

3~5歳になると、水泳、音楽、英語、体操、ダンスなどを始める家庭も増えてきます。

ただし、これは平均額であり、この金額を使う必要があるという意味ではありません。

習い事をしていなければ、学校外活動費はもっと少なくなります。反対に複数の習い事をすれば、大きく増えることもあります。

詳しくは別の記事で、3~6歳の習い事や園外活動の費用について解説します。


3年間で100万円を超えることもある

幼児教育・保育が無償化されていると、「小学校までは教育費がほとんどかからない」と思いがちです。

しかし、私立幼稚園の調査平均を単純に3年間分積み上げれば、約104万円です。

利用料そのものが無料でも、子ども一人を育てる中では、それ以外の教育費が少しずつ発生しているということです。

ただし、この100万円を入園時に用意する必要があるわけではなく、給食費や習い事、行事費など、3年間の日常生活の中で少しずつ使うお金も多く含まれています。

毎月の「幼児教育費」を一度確認してみよう

この時期は、「園にいくら払ったか」だけを見るより、子どもの教育に毎月いくら使っているかを一度まとめてみると分かりやすくなります。

たとえば、

園の実費 5,000円
習い事 7,000円
絵本や教材 2,000円

なら、月1万4,000円です。年間では16万8,000円になります。

金額が分かれば、「もう一つ習い事を増やしても大丈夫」「今はこのくらいで十分」と判断しやすくなります。


無償化された分は、小学校以降の準備にも回せる

0~2歳のころに保育料を払っていた家庭では、3歳児クラスから家計負担が大きく下がることがあります。

その分を全部使ってしまうのではなく、一部を教育費として残す方法もあります。

たとえば、月1万円を小学校入学まで3年間貯めると、1万円×36か月=36万円です。

小学校入学時には、ランドセルや学用品、衣類、場合によっては学習机など、まとまったお金が必要になります。

保育料が減った時期を、次の教育費を準備するタイミングにしてもよいでしょう。


「無料だからお金がかからない」ではなく、使い道が変わる

3歳以降は、幼児教育・保育の無償化によって、家計の負担が大きく軽減されます。

しかし一方で、上記のようにお金の使い道は少しずつ広がります。

大切なのは、「幼児期にはいくらかかるらしい」という平均額に合わせることではありません。自分たちの家庭では、園にいくら、習い事にいくら、将来のためにいくらと分けて考えることです。

子どもが興味を持つことも増えてくる時期です。何でも経験させようとすれば、教育費はいくらでも増やせます。

だからこそ、今楽しむためのお金と、これからのために残すお金。両方のバランスを取りながら考えていきましょう。


参考にした主な公的資料

・文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査(2026年1月16日訂正版)」
・文部科学省「子供の学習費調査 結果の訂正について」
・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」
・こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化制度 よくある質問」

※文部科学省「子供の学習費調査」の幼稚園の金額は、幼稚園に通う子どもの保護者が実際に支出した年間平均額です。保育園・認定こども園を含む3~5歳児全体の平均額ではありません。

 

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