子どもは大きくなるにつれて、病気やけがで病院のお世話になる機会も増えてきます。「子どもの病院代は無料」と聞いたことがある人も多いでしょう。
実際には、健康保険と自治体の医療費助成を組み合わせることで、自己負担が大きく軽減されています。
ただし、全国すべての家庭がまったく同じ条件ではありません。
※本記事は2026年10月20日時点で確認できる公的情報をもとに作成しています。医療費助成の対象年齢や利用条件は、自治体によって異なります。
小学校入学前の医療費は健康保険で2割負担
健康保険が適用される医療では、小学校入学前(義務教育就学前)の子どもの窓口負担は原則2割です。
たとえば、保険診療の総額が1万円なら、本来の自己負担は2,000円です。
小学校に入学すると、健康保険の自己負担割合は原則3割になります。
ただし、ここからさらに自治体の「こども医療費助成」などが適用されるため、実際に支払う金額は少なくなる場合があります。
すべての市区町村が子どもの医療費助成を実施
こども家庭庁が公表した令和7年度の全国調査によると、すべての都道府県・市区町村が子どもの医療費助成を実施しています。
市区町村では、通院・入院ともに18歳年度末(高校生世代)までを対象としている自治体が最も多くなっています。
ただし、18歳年度末まで全国一律に無料というわけではありません。
自己負担が完全に0円の自治体もあれば、受診1回につき数百円の負担が必要な自治体、月ごとの自己負担上限が設けられている自治体もありますし、所得制限を設けている自治体もあります。
同じ年齢の子どもでも、住んでいる地域によって負担額が違うのです。
「無料」だと思わず自分の自治体を確認する
医療費助成の内容を確認するときは、「○○市 こども医療費助成」で検索してみましょう。
確認したいのは、対象年齢、通院・入院時の自己負担額、所得制限、医療証の申請方法や使い方です。
医療費助成を受けるには、自治体への申請が必要な場合があります。
また、旅行先など自治体外の医療機関では医療証を使えず、いったん医療費を支払ってから払い戻しの申請が必要になることもあります。
こうした場合に備えて、医療機関の領収書は保管しておきましょう。
引っ越した場合は制度の内容が変わるため、新しい自治体での手続きも忘れないようにしてください。
保険外の費用は対象にならないことがある
医療費助成があっても、病院でかかるすべてのお金が無料になるわけではありません。
健康診断、任意の予防接種、診断書の発行費用、差額ベッド代、入院時の食事代などは、助成の対象外となる場合があります。
なお、定期予防接種は、対象年齢や接種時期などの条件を満たせば、原則として公費で受けられます。任意接種についても、自治体独自の補助制度が設けられていることがあります。
また、子どもの医療費そのものは小さくても、通院の交通費や、親が仕事を休むことによる収入減などが発生することもあります。
第二章で紹介した「子どもの病気予備費」を少し持っておくと安心です。
小学校に入る前にもう一度確認する
医療費助成は自治体によって対象年齢や自己負担の条件が異なります。小学校入学を境に健康保険の自己負担割合は2割から3割に変わりますが、自治体の助成によって実際の窓口負担が変わらない場合もあります。
一方で、就学をきっかけに医療費助成の条件や医療証の取り扱いが変わる自治体もあるため、入学前にもう一度確認しておきましょう。
子どもの病気やけがは、いつ起こるかわかりません。
制度を知っておけば、いざというときに「病院代はいくらかかるだろう」と心配しすぎず、必要な医療を受けさせることができます。
参考にした主な公的資料
- こども家庭庁「令和7年度 こどもに係る医療費の助成についての調査」
- 厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担割合)に関する資料」
- 千葉県「こどもが通院した場合、医療費の助成制度はありますか」
- 渋谷区「療養の給付(保険診療)」
※医療費助成の対象年齢、自己負担額、所得制限、医療証の申請方法などは自治体によって異なります。最新の制度内容は、お住まいの市区町村の公式サイトで確認してください。
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