子どもにかかるお金はいくら?妊娠・出産から大学まで

第1章‐4 赤ちゃんを迎える準備にかかるお金必要なものと予算の考え方

赤ちゃんを迎える日が近づくと、少しずつ準備を始めることになります。

肌着、おむつ、寝具、抱っこひも、ベビーカー・・・

出産準備の一覧を見ると、必要そうなものがずらりと並び、「全部揃えたら、いくらになるのだろう」と不安になる人もいるかもしれません。

けれど、一覧に載っているものを、すべて出産前に購入する必要はありません。

赤ちゃんの生まれる季節、住まいの広さ、移動手段、授乳方法などによって、必要なものは家庭ごとに異なります。

まずは、退院した日から必要になるものを中心に準備し、それ以外は実際の暮らしに合わせて買い足していきましょう。

※本記事は、2026年7月16日時点の公的資料や公開情報をもとに作成しています。商品の価格や安全基準などは変更されることがあります。購入時には、販売店、メーカー、消費者庁などの最新情報をご確認ください。

赤ちゃん用品の準備にはいくらかかる?

赤ちゃん用品の準備費用には、全国共通の平均額があるわけではありません。

どこまでを「出産準備」に含めるか、ベビーベッドやベビーカーなどの大型用品を購入するかによって、金額が大きく変わるためです。

2026年にベビー用品レンタル会社が先輩母親100人を対象に行った調査では、ベビーベッド、ベビーカー、衣類、哺乳瓶などの赤ちゃん用品にかかった費用は、平均約16万2,000円でした。

ただし、これは100人を対象とした民間企業のアンケートであり、国が公表した全国平均ではありません。一つの参考例として見ておきましょう。

実際には、次のような違いによって準備費用が変わります。

– 大型用品を新品で購入するか
– レンタルや中古品を利用するか
– 家族や知人から譲ってもらえるものがあるか
– 自動車を利用するか
– 母乳とミルクのどちらが中心になるか
– どの価格帯の商品を選ぶか

例えば、自家用車で移動がほとんどだという人と、そうでない人では、必要になるものが違うという事は、簡単に想像できるかと思います。

その為、他の人の意見を鵜吞みにするのではなく、自分たちの暮らしに何が必要かを考えることが大切です。

予算は3段階で考えてみよう

出産準備の予算を考えるときは、最初から細かな金額を決めるより、どこまで揃えるかを3段階に分けると整理しやすくなります。

最低限のものから始める場合

退院後すぐに必要な衣類、おむつ、寝具、沐浴用品などを中心にし、大型用品はレンタルや譲り受けも利用します。予算枠としては、まず5万~10万円程度を想定し、必要になったものを後から買い足す考え方です。ただし、自動車で退院する場合は、新生児から使用できるチャイルドシートも必要です。その分は別に考えておきましょう。

一般的な用品を一通り揃える場合

衣類や衛生用品に加え、抱っこひも、チャイルドシート、ベビーカーなども購入する場合は、10万~20万円程度を一つの予算枠として考えられます。選ぶメーカーや機能によっては、これより高くなることもあります。

大型用品をすべて新品で揃える場合

ベビーベッド、寝具、ベビーカー、抱っこひも、チャイルドシートなどを新品で揃え、機能性の高い商品を選ぶと、20万~30万円以上になることもあります。

ここで示した金額は、公的な平均額ではなく、予算を組むための目安です。大切なのは、一番高い予算を用意することではありません。家庭に必要なものと不要なものを見分け、出産後の生活費を残しておくことです。

買い物を始める前に、病院へ確認しておこう

出産準備を始める前に、入院する医療機関から渡される案内を確認しましょう。医療機関によっては、入院中に使う次のようなものを用意してくれる場合があります。

– おむつ
– おしりふき
– ミルク
– 哺乳瓶
– 産後用のパッド
– 赤ちゃんの衣類
– 授乳用品

反対に、自分で持参しなければならない医療機関もあります。すでに用意されているものを重ねて購入しないためにも、入院準備品の一覧を受け取ってから買い物を始めると安心です。

出産前に準備しておきたいもの

赤ちゃんが生まれる前に準備したいのは、退院した日から使うものです。たくさん買い揃えるのではなく、まず数日から1週間ほど生活できる量を意識してみましょう。

肌着とベビー服
新生児用の肌着やベビー服は、洗い替えができる程度に用意します。生まれたばかりの赤ちゃんは成長が早く、小さなサイズの服を着られる期間は長くありません。かわいい服を見つけると、つい何枚も買いたくなりますが、最初は少なめに用意し、赤ちゃんの大きさや季節に合わせて買い足しても十分です。退院時のセレモニードレスも、必ず必要なものではありません。普段も着られるきれいな服で代用できます。

おむつとおしりふき
紙おむつは、退院後すぐに必要になります。ただし、新生児用のおむつを大量に買い置きするのは避けた方がよいでしょう。赤ちゃんの成長によってサイズが変わるほか、体形や肌に合うメーカーもそれぞれ異なります。最初は少量を用意し、使い心地を確かめてから買い足すと無駄を減らせます。

赤ちゃんが眠る場所:
赤ちゃんが安全に眠れる場所も、出産前に決めておきます。ベビーベッドを購入するのか、レンタルするのか。どの部屋に置くのか。夜間に世話をする人が、無理なく赤ちゃんの様子を確認できるかも考えましょう。消費者庁は、0~1歳児を大人用ベッドに寝かせることで、転落や窒息事故につながる危険があるとして、できるだけベビーベッドを利用し、柵を上げて使用するよう注意を呼びかけています。赤ちゃんの周囲には、窒息につながるものを置かないことも大切です。寝具は、見た目の華やかさより、安全に使えることを優先しましょう。

沐浴や衛生用品:
退院後は、赤ちゃんの体を洗ったり、爪や鼻などの手入れをしたりする用品も必要です。主なものには、次のようなものがあります。

– ベビーバスや沐浴に使える容器
– ベビーソープ
– バスタオル
– ガーゼ
– 赤ちゃん用の爪切り
– 体温計
– 綿棒などの衛生用品

ベビーバスは使用期間が比較的短いため、レンタルや空気で膨らませるタイプを選ぶ方法もあります。洗面台や浴室の環境によって、使いやすい形は異なります。置き場所も確認してから選びましょう。

授乳に必要なもの:
哺乳瓶、粉ミルク、消毒用品などは、授乳方法によって必要な量が変わります。出産前には、最低限の哺乳瓶などを用意し、赤ちゃんが生まれてから必要に応じて増やす方法もあります。母乳で育てる予定でも、出産後すぐに予定どおり授乳できるとは限りません。反対に、ミルクを多めに準備しても、赤ちゃんに合わなかったり、医療機関で使っていたものとは違ったりすることがあります。出産前にすべてを決めつけず、医療機関の助産師などに相談しながら揃えていきましょう。

自動車を使うならチャイルドシートは出産前に:
自動車で赤ちゃんを連れて帰る場合は、退院の日からチャイルドシートが必要です。6歳未満の子どもを自動車に乗せるときは、原則としてチャイルドシートの使用が法律で義務づけられています。こども家庭庁の母子健康手帳情報支援サイトでも、赤ちゃんが初めて車に乗る退院時から使えるよう、国の安全基準に適合したチャイルドシートを出産前に準備するよう案内しています。購入前には、次の点を確認しましょう。

– 新生児から使える製品か
– 自宅の車に取り付けられるか
– 安全基準に適合しているか
– 正しく取り付けられるか
– 赤ちゃんの体格に合っているか

里帰り先の車や祖父母の車を利用する場合も、誰の車に取り付けるのかをあらかじめ決めておくと安心です。

出産後に買っても間に合うもの

出産準備の一覧に載っていても、急いで購入しなくてよいものがあります。

ベビーカー:退院直後は外出の機会が少なく、1か月健診まではあまり使わない家庭もあります。自宅周辺の道路、公共交通機関、階段の有無、自動車への積みやすさなどを考えてから選んでも遅くありません。

抱っこひも:抱っこひもは便利ですが、製品によって装着方法や体への負担が異なります。赤ちゃんの体格や、主に使う人の体形に合うものを、試着して選ぶ方法もあります。消費者庁は、抱っこひもの使用中にも転落事故が起きているとして、バックルやベルトの緩みを確認し、前かがみになるときは赤ちゃんを手で支えるよう呼びかけています。

おもちゃや絵本:生まれたばかりの時期には、多くのおもちゃは必要ありません。出産祝いとしていただくこともあるため、最初からたくさん買わず、赤ちゃんの成長に合わせて選んでいきましょう。

大量の衣類や消耗品:衣類、おむつ、ミルクなどは、赤ちゃんの成長や相性によって使えなくなることがあります。割安だからと大量に買うより、最初は少量から始める方が、結果的に無駄を抑えられることもあります。

レンタルや中古品を上手に利用する

使用期間が短いものや、保管場所を取るものは、レンタルを利用する方法があります。たとえば、

– ベビーベッド
– ベビーバス
– ベビースケール
– 短期間だけ使うベビー用品

などです。第二子以降も使う予定があるなら購入、使用期間が限られているならレンタルというように、今後の予定も考えて選びましょう。

中古品や譲り受けた製品を使う場合は、価格だけで決めず、製造年、破損や部品不足の有無、リコール対象製品ではないか、取扱説明書があるかを確認することが大切です。特に、安全に直接関わるチャイルドシートや寝具などは、使用履歴や状態が分からないものを安易に選ばないようにしましょう。

出産準備費用を抑える5つの考え方

出産準備は、安いものを探すだけでなく、買わなくてよいものを見極めることが大切です。

退院後すぐに必要かを考える:すぐに使わないものは、出産後に選んでも間に合います。

大型用品は生活環境を確認してから買う:ベビーカーやベビーベッドは、置き場所や移動手段によって使いやすさが変わります。

消耗品は少量から始める:おむつやミルクなどは、赤ちゃんとの相性を確認してから買い足します。

レンタルと購入を比べる:使用期間、レンタル料、第二子以降に使う可能性、保管場所まで含めて考えます。

出産後のために予算を残す:赤ちゃんが生まれてから、「これが必要だった」と分かるものもあります。準備費用をすべて使い切らず、出産後に買い足すためのお金を残しておきましょう。

準備品の数より、暮らしを想像してみよう

初めて赤ちゃんを迎えるときは、何が必要か分からないからこそ、すべて用意しておきたくなるものです。けれど、たくさん揃えることが、そのまま安心につながるとは限りません。

赤ちゃんはどこで眠るのか。退院するときは、どのように家まで帰るのか。誰が主に抱っこひもを使うのか。洗濯は、どのくらいの頻度でできるのか。こうした生活の様子を一つずつ想像すると、本当に必要なものが見えてきます。

赤ちゃん用品は、愛情の量を表すものではありません。退院した日から、安全に、無理なく生活できるものが揃っていれば、まずは十分です。

足りないものは、赤ちゃんとの暮らしが始まってから、少しずつ買い足していきましょう。

 

参考にした主な資料

– こども家庭庁「母子健康手帳情報支援サイト・事故の予防」
– 消費者庁「0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください!」
– 消費者庁「子どもの転落事故に注意!」
– 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)「中古品の見えない危険に注意」
– 西松屋「ベビーのための準備品リスト」
– 赤ちゃん本舗「出産準備リスト」
– ナイスベビー「先輩ママ100名調査で見えたリアルな出産準備費用」
※商品の価格や必要数は、家庭の生活環境や商品によって異なります。購入時には、メーカーや販売店の最新情報をご確認ください。

 

「出産準備 費用」「赤ちゃん用品 費用」「ベビー用品 いくら」「出産準備 必要なもの」「赤ちゃんを迎える準備」