4年生からのお金の勉強

「お金はどこから来るの?」

私たちは、ふだんスーパーで野菜を買い、ケーキ屋さんで誕生日ケーキを頼み、本屋さんでノートや参考書を選びます。そのときの立場は、いつも「買う側」、ほとんどのご家庭がそうだと思います。

なので、ときどきでいいので、「売る側」の立場を、子どもと一緒に想像してみてください。

たとえば、近所のラーメン屋さん。一杯800円のラーメン・・・「高いなあ」「安いなあ」と言う前に、その一杯ができるまでを、少し考えてみます。

スープを何時間も煮込む。麺を仕入れる。チャーシューを作る。お店の家賃や水道代、光熱費。そして、働いてくれる人のお給料。

お金をもらうまでには、見えないところで、たくさんの準備と努力があります。そして、そうした働きがあって、はじめて「お金」という対価が生まれます。

この流れを想像できるようになると、小さな子でも、「お金って簡単に手に入るものじゃないんだ」と、少しずつ実感できるようになります。

私は、子どもたちによくこう聞きました。「お店のいちばん大事な仕事って、何だと思う?」

私の中での答えは――お客さんに『ありがとう』と言ってもらうことです。「ありがとう」と言われるということは、その商品やサービスに満足してもらえた、ということ。つまり、お金は『ありがとう』と交換して受け取るものなんですね。

では、どうしたら「ありがとう」と言ってもらえるのでしょう?

お客さんは、何を求めているのかな?どんな時間に混むのかな?どんな味なら喜ぶかな?お店が明るいと入りやすいかな?接客がやさしいと、また来たくなるかな?

たとえば、クレープ屋さんなら――テスト帰りの学生が多い時間に、期間限定メニューを出してみる。写真を撮りたくなるような見た目にする。「できたてですよ」と笑顔で声をかける。そんな工夫の積み重ねが、やがて売上につながります。

簡単ではありません。でも、「どうしたら喜んでもらえるかな」と考えることは、実はとても創造的で、楽しいことです。その努力の結果として「ありがとう」と言われ、お金を受け取る。これが、仕事の本質なのだと、私は思っています。

わが家では、今でもよくこんな話をしていましたし、今でも見かけると良くするのですが。

混んでいるカフェを見ては、「どうして人気なんだろう?」

逆に、とてもおいしいのに空いているお店を見ると、「どうしてお客さんが少ないんだろう?」

立地がいいのかな。SNSで話題になったのかな。値段が手頃だから?店員さんの感じがいいから?メニューが見やすいから?正解かどうかは、実はどうでもいいのです。

大切なのは、そこにある人の工夫や努力を想像しようとすること。その想像力が、やがて「お金の価値」に気づく力につながります。

お金は、ただの数字ではありません。誰かの知恵。誰かの時間。誰かの努力。その結晶のようなもの。売る側の立場を想像できるようになると、働くことの楽しさも見えてきます。

そして、「自分もいつか、誰かに『ありがとう』と言ってもらえる仕事がしたいな」そんな憧れも、静かに芽生えていくのだと思います。