4年生からのお金の勉強

お金は沢山作ればいいんじゃない?ハイパーインフレ

お金を増やせば豊かになれるの?

お金って、たくさん印刷すればみんなお金持ちになれるんじゃない?実は私が子どもの頃にも同じように思っていました。

あなたも、そんなふうに考えたことはありませんか?実はこれ、多くの子どもが一度は思う素朴な疑問なんだそうです。

でも結論から言うと、それはうまくいきません。なぜなら、お金はただの紙ではなく「信用」で成り立っているものだからです。

お金の価値は「信用」で決まる

日本で使われているお札は、日本という国が発行しています。

そしてその価値は、日本という国がどれだけ信頼されているかによって決まります。もしその信用が下がってしまうと、同じ物を買うのに、より多くのお金が必要になってしまいます。

例えば、アメリカの1ドルを手に入れるために、以前は100円でよかったのに、110円、120円、今だと150円以上が必要になる。

これは円の価値が下がっているということなんです。

お金を増やしすぎた国の現実

では、他の国で過去に実際にお金を増やしすぎて大変なことになった国の例を見てみましょう。

■アルゼンチン:物価が5000倍になった世界

まずは南米のアルゼンチンです。1988年、この国ではハイパーインフレが起こりました。原因のひとつが、お金を大量に発行してしまったことです。

その結果、物価はなんと5000倍にまで上昇!10円で買えていたものが50000円になってしまうような状態です。

想像するだけでも、日常生活がどれだけ大変になるかがわかりますよね。

翌年になっても状況は落ち着かず、経済は混乱し続け、アルゼンチンの通貨は信用を失い、多くの人が持っていたお金は、ほとんど価値のないものになってしまいました。

その後もこの国は何度も同じような問題を繰り返し、2002年には財政破綻にまで至っています。

■ロシア:国の崩壊とインフレ

1992年のロシアでは、大きな国であったソビエト連邦が崩壊し、新しい国としてスタートする中で経済が大混乱に陥りました。

その影響で物価は一気に上昇し、100円で買えていたお菓子が2600円になるほどのインフレが起きました。

経済が安定するまでには時間がかかり、1998年には財政破綻も経験しています。

■ジンバブエ:100兆ドル札が生まれた理由

さらに有名なのが、アフリカのジンバブエです。

この国では2000年ごろからインフレが始まり、2008年には物価が220万倍という、とても現実とは思えない状態になりました。

背景には農業政策の失敗などがあり、食べ物が不足し、需要と供給のバランスが大きく崩れてしまったことが原因のひとつです。

その結果、物の値段がどんどん上がり続け、ついには100兆ジンバブエドル札という、とんでもない額のお札まで発行されることになりました。

ここまでくると、お金としての役割はほとんど果たせなくなります。最終的にジンバブエも経済破綻に追い込まれました。

なぜ「お金を増やす=豊か」ではないのか

「お金を増やせば豊かになる」という考えがいかに危険なのか?そう、お金の価値は、量ではなく「信用」と「バランス」で決まるものだという事なんですね。

そしてその信用とは、私たち一人一人が日本人として他の国から「信用できる国(国民)だ」と思われるかどうかが大切だって事です。

今の日本はどうなっている?

では、日本はどうでしょうか。2026年現在、日本は長いデフレを抜け、少しずつインフレの状態に入ってきています。

物価が上がるということは、お金の価値が少しずつ下がっているということでもあります。

もちろん日本政府や日本銀行は、物価が上がりすぎないように、また経済が大きく崩れないように、さまざまな方面から考え、対策を行ってくれてはいます。

これからの時代に大切な考え方

大切なのは、「お金はただ持っているだけで安心なものではない」ということです。価値は変わるし、状況によっては大きく減ってしまうこともある。

だからこそ、これからの時代は「お金を知ること」がとても大切です。

どうやって増えるのか、どうやって価値が変わるのか、その仕組みを少しずつ理解していくこと。それが、自分自身と家族を守る力になります。

お金はただの紙ではありません。そこには、国の信用、人の働き、社会の仕組みが詰まっています。そのことを知るだけでも、お金との付き合い方は大きく変わっていくはずです。

だからこそ、お金は“持つ”だけでなく“どう使うか・どう育てるか”が大切だという事を、子ども達にしっかりと伝えておくことが大事だと思います。