「お金の流れ」を知ることは、自分で稼ぐ力のはじまり。小さな子どもは、どうやったらお給料がもらえるのか、まだわからなくて当たり前です。
私自身、幼少期は「お金」という存在がどこからやってくるのか?不可思議で仕方なかった記憶があります。だから私は子ども達に、むずかしい言葉を使わずに、「お金はどうやって生まれるのか」を話しするようにしていました。
子ども達がイメージしやすいように、アイスクリーム屋さんをたとえにして考えてみましょう。
1つ200円のアイスが、10個売れました。売上は、2000円ですね。でも、2000円がそのまま全部、お店のもうけになるわけではありません。
アイスを作るためには――牛乳や砂糖などの材料費だけでなく、お店の家賃に水道代に電気代。そして、働いてくれる店員さんのお給料などなど、色んなお金が実際はかかります。
もし、アイス1つを作るのに80円かかるとしたら、10個で800円。店員さんに、1人600円ずつ払うとしたら、2人で1200円です。
計算してみると、売上2000円− 材料費800円− お給料1200円= 0円・・・あれ?全部売れても、もうけは出ていませんよね。
ここで初めて、「お金って、入ってくるだけじゃないんだ」ということが見えてきます。これが、子ども達にちゃんと理解をしてもらいたい、とても大事なお金の流れです。
では次に、どうしたらもうけが出るんだろう?と考えてみましょう。
【もし、たくさん売れたら?】バージョン。
1つ200円のアイスが、20個売れました。売上は4000円。材料費は、20個分で1600円。お給料はそのまま1200円。
4000円− 1600円− 1200円= 1200円のもうけ。
では、もうけが出ると、どうなるでしょう?
・店員さんのお給料を少し上げられるかもしれない
・新しい味のアイスを作れるかもしれない
・お店をきれいにできるかもしれない
と、いい事が広がっていきます。

次に【もし、あまり売れなかったら?】バージョンを考えてみましょう。
10個作ったけれど、5個しか売れなかったら?
売上は1000円だけど、材料費は10個分かかっているので、材料費800円。お給料1200円。
1000円− 800円− 1200円= 1000円の赤字という結果になります。
そう、がんばって働いても、お金が足りなくなることもあるのです。
すると――
・お店が続けられなくなる
・お給料が払えなくなる
・店員さんを減らさないといけない
残念ながら、そんなことも起きます。
よく売れたらどうなるか?もし売れなかったらどうなるのか?ここまでイメージが出来て初めて「お金の流れを理解する」という事ではないかなと思うのです。
お父さんやお母さんが頂いてくるお給料も、こうした流れの中から生まれています。毎日一生懸命働いて、誰かの役に立って、「ありがとう」と言われて、その結果として、お金が生まれる。
がんばっているのに、もし売上が減ったら?もうけが出なかったら?それは、やっぱり悲しいことですよね。だからこそ、お金の流れを知ることは、働く意味を知ることでもあるのだと思うのです。
そしてもうひとつ大事な事は、お金に直接ならない仕事も、たくさんあるという事。料理。そうじ。洗濯。家族を支える時間・・・専業で家を守っている方も、立派に働いています。
子育てもそうですね。「仕事」というくくりに入れてしまうのもどうかと思いますが、日常を守るためのとっても大切な事です。
お金をもらえる事だけが、決して仕事ではなく、これも大事な仕事なんだという事を伝え、そして積極的どんどんお手伝いをしてもらって「誰かの役に立てる喜び」を幼少期に体験させてあげて欲しいと思います。
お金の話は、数字の話だけではありません。
近年、闇バイトに知らずに加担し、いつの間にか誰かを傷つけ犯罪者になってしまうという、悲しいニュースをよく聞きます。
お金を頂く事=誰かを喜ばせる、役立つ事
という概念がしっかりと育てば、おのずと「簡単な仕事で高収入」という危なげな求人には、何かがあるかも?という危機管理が働くようになると思うのです。
誰かの役に立つこと。その積み重ねが、お金につながるという事・・・日々の生活の中で、少しずつ伝えていけたらいいですね。
